パスタが主食のデザイナー・ハヤシコウさんに、パパっとつくれるシンプルなパスタを習いました。1年間の締めくくりは、冬に美味しい食材の雲子とからすみを使ったリッチなパスタです。この週末のランチにつくってみませんか?ハヤシさんのパスタは、優しい味わいなので、お好みで調味してみてください。
イタリアでは白子を食べることはほとんどない。漁場の近くではあるだろうけど、町中で売られているのを見かけることはなかった。日本で初めて食べたというイタリアからの友人も多いです。
白子の独特な香りはセロリと、独特な味わいはからすみと、それぞれに組み合わせるのがポイント。どれもクセのある食材ですが、むしろクセがあるもの同士だからこそ、味にまとまりが生まれます。セロリの代わりに長ネギを使ってもいいし、カラスミの代わりにブルーチーズを使ってもいい。何にせよ、クセある同士を組み合わせてみてください。
白子もからすみも香りが独特だから、合わせるワインが難しい。そんな時におすすめしたいのがオレンジワイン。もちろんオレンジから造るワインではなく、白ブドウを赤ワインと同じように果皮ごと醸造して造るオレンジ色をしたワインのことで、イタリアでは、北イタリアのフリウリ地方を中心にたくさん造られています。
白ワインのような香りと、赤ワインのようなコクある味わいが特徴で、白子やからすみのように、ワインとの相性が難しいされてきたクセのある食材とも好相性。辛い香辛料とも相性が良いので、オレンジワインがあると、食べる料理の幅がぐんと広がります。
パスタ | 160g(モリサーナ 1.45mm) |
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雲子 | 60g(タラの白子) |
にんにく | 1片 |
セロリ | 15g(みじん切り) |
唐辛子 | 1本(種を取って輪切り) |
パン粉 | 3g(細かいタイプ) |
からすみ | 6g |
オリーブオイル | 適量 |
塩 | 9g |
鍋に3Lの湯を沸かし、塩とパスタを入れる。時々混ぜながら袋の表示通りにゆでる。
雲子の筋はキッチンバサミなどを使いを丁寧に取り除き、氷を入れた塩水で2回水洗いする。
②をお湯でプリっとするくらいに軽く湯がく。湯がいたらキッチンペーパーなどに取り、水気を取り除く。
フライパンに、オリーブオイル、にんにく、セロリ、鷹の爪、パン粉を入れ、火をつけたらにんにくを取り出し、軽く炒める。パスタのゆで湯70mlを入れ、③の雲子を加えたら、半分は潰すように炒める。
④のフライパンに茹で上がったパスタを入れ、雲子を絡めるように和える。ゆで湯でソースの濃度を調整する。
器に盛りつけて、からすみを散らしたら完成。
人呼んで“日本人初のイタリア人”。イタリアを愛し、イタリアに魅せられて早28年。トスカーナ州ルッカでレストランのキッチンを、ロンバルディア州ソンドリオでレストランのサービスを、マルケ州ウルビーノで美術学校で印刷技術と広告デザインを学び、現在はデザイナーとして活躍しながら、神奈川県・小田原のイタリア料理店「クインディチ」に立つ日もある。
撮影:海老原俊之 構成:編集部