季節の「引き算」料理
下味が美味しさを引き立てる"豚肉と野菜の鉢蒸し"

下味が美味しさを引き立てる"豚肉と野菜の鉢蒸し"

6種の材料からなる下味用の調味料と豚肉の旨味が蒸し上がりとともに材料にしみ込み、味わいがぐんとアップします。塩味をつくる塩、醤油、味噌の3つを軸に、余分な調味料を省いた「これで決まり」の引き算料理を料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

“豚肉と野菜の鉢蒸し”のつくり方

豚肉にからめた調味料と肉の旨味が野菜と春雨にじわじわしみ込みます。いろいろな野菜と相性がいいので、きのこやキャベツ、なす、にんじん、れんこんなど、どんどん試してみて。

材料材料 (2~3人分)

豚バラ肉200g
★ 下味用
・ 酒大さじ2
・ 醤油大さじ3
・ にんにく1片分(薄切り)
・ 生姜小1/2片分(せん切り)
・ 胡麻油大さじ1
・ 胡椒少々
青梗菜2株
生きくらげ40g(乾燥は4~5gを水でもどす)
春雨40g

1豚肉に下味をつける

豚肉は長さ5~7cmに切ってボウルに入れ、下味用の材料を加えて手でもみ、20分ほどおいて下味をつける。

豚肉に下味をつける
肉にしっかり下味をつけておくと、蒸している間に野菜や春雨にしみ込んで調味いらずに。

2青梗菜をカットする

青梗菜は長さを半分に切り、根元を縦4~6等分に切り、葉先は幅3cmに切る。きくらげは幅2cmに切る。

3春雨をもどす

春雨はキッチンばさみで長さ6~7cmに切り、60℃ぐらいのたっぷりの湯に10分ほど浸してやわらかくもどし、ザルにあげる。

4器に材料を並べる

蒸し器に入る少し深めの器に青梗菜の根元の部分を敷き、きくらげ、春雨をのせて豚肉を広げながら入れ、残った汁もかける。

5蒸す

水で濡らしてかたく絞った布巾を10cm幅ぐらいの斜めの帯状になるように折り、その上に4の器を安定よくのせ、布巾ごと沸騰した蒸し器に入れて蓋をして15分ほど蒸し、青梗菜の葉先をのせ、さらに5分ほど蒸す。

完成
器の下に帯状に折った布巾を敷いて蒸すと、出来上がったときに布巾ごと引き上げれば熱い器に触れずに取り出せるので便利です。きりっとした醤油と豚肉の旨味が全体にまわって、想像以上のおいしさです。

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、四季dancyu「冬のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 冬のレシピ
四季dancyu 冬のレシピ
A4変型判(120頁)
ISBN:9784833480833
2021年12月15日発売/1,100円(税込)

文:中村裕子 写真:原 ヒデトシ

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。