酒好きをいたわるスープ
美味しく肝臓の働きを助ける"シジミと干しエビの澄んだスープ"

美味しく肝臓の働きを助ける"シジミと干しエビの澄んだスープ"

シジミの力で、肝臓を労るスープです。干しエビと昆布のだしも効かせた旨みたっぷりの一品。酒肴家・稲垣知子さんによれば、飲むタイミングも含めてスープは酒呑みにとって大事な存在。今回は稲垣さんの薬膳や栄養学の知識をもとに、弱った肝臓や胃をいたわる「お酒呑み」のためのスープづくりを習いました。

“シジミと干しエビの澄んだスープ”のつくり方

シジミ、干しエビ、昆布の旨味をぎゅっと凝縮。こしたスープは冷凍保存も可能だ。お腹に余裕があれば、〆のにゅうめんもおすすめ。

いたわり食材「シジミ」
いたわり食材「シジミ」

薬膳上では「解酒」の食材。肝臓の解毒機能を強化するタウリンや肝機能の働きを高めるベタイン、肝臓の働きを助けるオルニチンやメチオニンを含むことでも知られる。

材料材料 (2人分)

シジミ250g
干しエビ10g
昆布5cm四方
600ml
淡口醤油小さじ2
生姜の絞り汁少々(好みで)
小ねぎ少々(小口切り)

1シジミと干しエビの下準備

シジミは砂抜きして殻をこすり洗いする。干しエビはさっと水洗いする。

2煮る

鍋に分量の水、昆布、干しエビ、シジミを入れてとろ火にかけ、アクを取りながらゆっくり温める。沸騰前に昆布を取り出し、火を少し強めて液面が優しく波立つ状態を保ち、アクを取りながら20分ほど煮る(このときグラグラ沸かさないよう注意する)。

3ザルでこす

キッチンペーパーを敷いたザルで2をこし(約2カップのスープがとれる)、淡口醤油で味をととのえる。

4盛りつける

器に盛り、生姜の絞り汁を好みで加え、小ねぎを散らす。

完成
シジミを弱火でじっくり煮出し、エキスのみ味わうぜいたくスープ。

教える人

稲垣知子 酒肴家

稲垣知子 酒肴家

雑誌、書籍、料理教室などで日本酒に合う料理を教えている。薬膳にも造詣が深く、今回は薬膳や栄養学の知識と、長年の飲酒経験(?)を生かした「お酒呑み」のためのスープを提案。

技あり!dancyuスープ
技あり!dancyuスープ
A4変型判(112頁)
2020年12月18日発売 / 880円(税込)

文と構成:佐々木香織 撮影:宮濱祐美子 

佐々木 香織

佐々木 香織 (ライター)

福島出身の父と宮城出身の母から生まれ、東北の血が流れる初老の編集ライター。墨田区在住。食べることと飲むことが好き。お酒は何でも飲むが、とくに日本酒と焼酎ラヴァー。おもな仕事は新聞やウェブでの連載、雑誌や書籍の編集・取材・執筆。テーマは食べもの、お酒、着物など。