じっくり火を通すことで、玉ねぎの甘味をしっかりと引き出したスープです。少し固くなってしまったハード系のパンを使うのがお薦めです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
熱々のオニオングラタンスープ。野口悦士さんの、素地が透けて感じられる白の器にスープを張って。玉ねぎの甘味とチーズの旨味が渾然一体となり、じんわりと体に染みる美味しさです。しっかりと食べ応えもあります。
新玉ねぎ | 1~2個 |
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鶏ガラスープ | 1L |
塩 | 小さじ2 |
ハードパン | 適量(カンパーニュなど) |
パルミジャーノ・レッジャーノ | 適量 |
玉ねぎは皮をむいて丸ごと鍋に入れ、鶏ガラスープを加える。浮いてくるようなら落とし蓋をする。強火にかけ、沸騰したらごく弱火にして塩を加える。とろりとなるまで2~3時間、ゆっくりと煮る。味をみて足りなければ塩(分量外)で調え、火を止める。
オーブンを180℃に予熱し、耐熱容器やバットにスライスしたハードパンを入れ、1のスープをひたひたまで注ぐ。スープをほぼ吸うまで10~15分ほど焼く。
1の玉ねぎを取り出して半分にカットし、鍋に戻して中火にかける。温まったら玉ねぎとスープを器に盛り、2のパンをのせ、パルミジャーノをたっぷりと削りかける。
オーブンに入れ、焦げ目がつくまで焼く。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!「四季dancyu 春のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤達也