衣には粉山椒を効かせ、ご飯には白胡麻と木の芽を混ぜた風味豊かな天むすです。飲みの締めにもうってつけ!器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
小さなサイズの天むすは、どこかお雛さまのような印象。ふんわりやさしくむすび、着物を着せる感覚で海苔を巻きます。ちょこんとした佇まいが愛らしく、フラットな粉引の器のほか、板皿に盛りつけても美しくおさまります。天むすは、関西で長期の仕事をしていたときにちょくちょく食べていましたが、小ぶりな芝海老を使っているのが粋に感じました。衣にも粉山椒を効かせ、ご飯には白胡麻と木の芽を混ぜるのが〈オカズデザイン〉流。酒席の締めにも、手土産やおもてなしにもお薦めです。
国産海老 | 小3尾(チルド) |
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★ 衣 | |
・ 小麦粉 | 100g |
・ 塩 | 小さじ2/3 |
・ 粉山椒 | 小さじ1/2 |
・ 卵黄 | 1個分 |
・ 冷水 | 100ml |
★ ご飯 | |
・ 米 | 2合 |
・ 酒 | 小さじ1 |
・ 昆布 | 5cm角1枚 |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ 白煎り胡麻 | 大さじ1 |
・ 木の芽 | 10枚分(みじん切り) |
★ 天つゆ | (合わせてひと煮立ちさせる) |
・ 鰹だし | 大さじ2 |
・ 醤油 | 大さじ2 |
・ みりん | 大さじ1 |
・ 酒 | 大さじ1 |
海苔 | 1/2枚分(幅3cmに切る) |
揚げ油 | 適量(胡麻油とサラダ油を1:3) |
研いだ米に酒を加え、通常の水加減をしたところに昆布を加え、30分以上浸水させる。塩を加えて炊く。
海老は殻と尾をむき、背中に切り目を入れて半分に開き、背ワタを取り除く。縦半分に切って、水、塩、片栗粉(すべて分量外)を使って全体の汚れを取り、水でしっかり洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取る。
鍋に油を入れ、中火にかける。その間に衣をつくる。ボウルに上から順に入れ、その都度、泡立て器でよく混ぜ、なめらかになったら海老を入れる。
油が180℃になったら、海老を1尾ずつ揚げる。軽く油をきり、天つゆにさっとくぐらせておく。
1が炊き上がったら昆布を取り出し、240gをボウルに入れ、胡麻と木の芽を加えてさっくりと混ぜる。
手に濃いめの塩水(分量外)をつけ、5に海老天1個を合わせてむすび、海苔をなるべく重ならないように巻く。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!「四季dancyu 春のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤達也