香り高いモロッコの家庭料理
栄養たっぷりの滋養スープ"ハリラ"

栄養たっぷりの滋養スープ"ハリラ"

豆と野菜がたっぷりと溶け込んだ、滋養のあるスープです。ハリラをメインに、ホブスと甘いお菓子、ミントティーで軽く済ませるのがモロッコ流晩御飯だそう。スパイス、レモン、ハーブなど異国情緒あふれる香りの多重奏が魅力のモロッコ料理を、料理研究家の口尾麻美さんに教えてもらいました。

“ハリラ”のつくり方

昼ごはんをしっかりと食べるので、夜はスープとパンで軽く済ませます。このハリラは、一年中、親しまれているものですが、特にイスラム教のラマダン(断食)期間中は、毎日、日の出から日没まで何も食べず、水すら飲むことができないので、断食明けの夕食に空腹の胃にやさしい、滋養たっぷりのハリラと揚げ菓子「シュバキア」を食べるのは定番中の定番。ハリラはここで紹介している豆と野菜でつくるレシピのほかに、牛肉や羊肉を入れることもあります。

材料材料 (3~4人分)

レンズ豆100g(乾燥)
ひよこ豆*1100g(ゆでたもの)
玉ねぎ1/2個分(みじん切り)
セロリ1/2本分(みじん切り)
トマト2個分(皮を入れずにすりおろす)
1.5L
A
・ ターメリック少々(省いても可)
・ ジンジャーパウダー小さじ2
・ 塩小さじ1~2
・ ブラックペッパー小さじ1
・ コリアンダー大さじ2(みじん切り)
・ イタリアンパセリ大さじ2(みじん切り)
オリーブオイル大さじ2~3
バーミセリ*230g
小麦粉大さじ2
適量
胡椒適量
コリアンダー適量(みじん切り。またはイタリアンパセリ)
レモン4個(くし形切り)

*1 ひよこ豆は市販の水煮でよい。
*2 バーミセリは極細のパスタ。スープなどの浮き実用に短く切られたものを使用したが、長いものを折って代用してもよい。

1炒める

鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ、玉ねぎとセロリを炒める。しんなりとしたらAを加えてさらに炒め、トマト、水、レンズ豆を入れる。沸騰したら弱火にし、20分ほど煮る。

2煮る

レンズ豆が煮くずれるくらいやわらかくなったらひよこ豆を入れ、バーミセリを加えてさらに10分煮る。

煮る

3仕上げ

小麦粉を水100ml(分量外)で溶いたものを加えて混ぜ、とろみがついたら塩、胡椒で味をととのえる。器に盛り、コリアンダーまたはイタリアンパセリを散らし、レモンを添える。

完成

教える人

口尾麻美 料理研究家

口尾麻美 料理研究家

アパレルの仕事を経て料理の道へ。世界各国へ旅をし、インスピレーションを受けた料理をイベントや料理教室で紹介。モロッコのほか、トルコやリトアニア、台湾などをテーマにした著書がある。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

※この記事の内容は、四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「冬のキッチン」
四季dancyu「冬のキッチン」
A4変型判(120頁)
2020年12月10日発売/1,000円(税抜き)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。