低温で仕上げるローストビーフは、しっとりとなめらかな食べ心地。時間が美味しくしてくれる、豊かな一品です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
お祝い事のテーブルに、ローストビーフがあると場が一気に華やぎます。オーセンティックなソースとたっぷりのクレソンを添えて、マッシュポテトや粉吹き芋を添えるのが鉄板の組み合わせ。この贅沢な非日常感を盛り上げてくれるのが、鈍い光沢を放つ金属の器です。寺本英幸さんの作品で、ミニテーブルくらいあるサイズ感が迫力満点!奮発した牛肉をおいしく仕上げるコツは、塊肉を低温でじっくり焼いた後、余熱で同じくらいの時間休ませること。
牛もも肉 | 500g |
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塩 | 9g(肉の1.8%) |
黒胡椒 | 適量 |
ごぼう | 8cm |
れんこん | 4~5cm |
玉ねぎ | 大1/2個 |
りんご | 1/6個 |
マッシュルーム | 1個 |
バター | 5g |
水 | 100ml |
日本酒 | 100ml |
クレソン | 適宜 |
ホースラディッシュ | 適宜 |
じゃがいも | 適宜 |
パン | 適宜(好みで) |
牛肉を2時間ほど冷蔵庫から出しておき、常温にもどす。
ごぼうとれんこんはよく洗い、皮ごと1cm角に切る。玉ねぎとりんごは皮をむき、1cm角に切る。マッシュルームは軽く土を落とし、1cm角に切る。
1の肉の水気を拭き、塩をまんべんなくすり込み、強めに黒胡椒をふる。オーブンを100℃に予熱する。
鉄のフライパン(オーブン対応のもの)を強火で熱し、バターを入れ、3を入れる。全面にうっすら焼き色がつく程度まで焼く。
肉をいったん取り出し、2を入れる。軽くさっと混ぜて、火を止める。
野菜の上に肉をのせ、オーブンに入れて50分焼く。
時間になったら肉の上下を返し、さらに40~50分焼く。フライパンをオーブンから出し、肉をアルミホイルで包み、2時間ほど休ませる。
肉の粗熱が取れたら、グレービーソースをつくる。7のフライパンに残った野菜と肉汁に水と日本酒を加える。強火にかけ、沸騰したら弱火にし、アクを取りながら半量程度になるまで10~15分煮詰める。火を止め、ザルなどで野菜をこす。
7の肉をスライスして器に盛り、8のソースを添える。好みでクレソンやおろしたホースラディッシュ、グリルしたじゃがいも、パンなどを添えて。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。