野菜たっぷりの南インド料理
野菜がたっぷりととれる南インドの朝ごはん"ベジタブル・アーダイドーサとアヴィヤル"

野菜がたっぷりととれる南インドの朝ごはん"ベジタブル・アーダイドーサとアヴィヤル"

南インド料理店で最近よく見かけるようになった「ドーサ」という生地を焼いた料理は、軽やかな味わいで現地では朝食の定番です。今回は副菜と併せて本場さながらのレシピをご紹介します。食べると体の中から元気が湧いてくる。そんなスパイスと素材の香りが印象的な野菜中心の南インド料理を、インド・スパイス料理研究家の香取 薫さんに教えてもらいました。

ヘルシーだけど満足感たっぷり!

南インドで親しまれる朝食の定番がドーサ。紙のように薄いものから、パンケーキのようにふんわりしたものまでいろいろある。通常は米と豆を別々にひいて1晩発酵させるが、このアーダイドーサは米と豆を一緒にひき、発酵をさせずに厚めに焼くので日本の家庭でもつくりやすい。3種の豆が入り、ナリシング(栄養たっぷり)ドーサとも呼ばれる。アヴィヤルはケーララ州発祥の名物野菜料理で、ココナッツたっぷりのやさしい味。ヨーグルトが入るので食べきれる分だけを食べる直前につくり、分離しないよう再加熱は避けること。

“ベジタブル・アーダイドーサ”のつくり方

材料材料 (4人分)

ウラドダール50g(皮むきひき割り)
チャナダール50g
トゥールダール50g
バスマティーライス50g
にんじん5cm
キャベツ2枚(葉)
植物油適量(またはギー)
青唐辛子*1/2本
赤唐辛子*1/2本
小さじ2/3

*青唐辛子と赤唐辛子はどちらか1種類でもよい。

1下ごしらえ

豆とバスマティーライスは洗い、一緒に約3倍程度の水に1晩浸水させ、ザルにあげる。

2野菜をカットする

青唐辛子と赤唐辛子は小口切りにする。にんじんとキャベツは短めのせん切りにする。

3フードプロセッサーにかける

1の豆と米、青唐辛子と赤唐辛子をフードプロセッサーかミキサーでペースト状にする。水分が少なく回しにくい場合は、水(豆と米を浸水させた水がよい)を適量足してよい(入れすぎないこと)。

4焼く

3をボウルに移して塩、にんじんとキャベツを混ぜる。フライパンに植物油またはギーをひき、生地の1/4量を薄く広げて焼く。中央に火が通りにくいので、途中、中央にヘラで穴をあける。ひっくり返し、中央の穴からも油を適宜足しながらこんがりと焼き、両面に火を通す。残りの生地も同様に焼く。

焼く
焼く

“アヴィヤル”のつくり方

材料材料 (2人分)

さやいんげん4本
なす1個
にんじん1/4本
じゃがいも1個
ししとう6本
カレーリーフ10枚
ターメリック小さじ1/3
80ml
A
・ ココナッツファイン1/3カップ
・ 塩小さじ1/2
・ プレーンヨーグルト1/3カップ
・ クミンパウダー小さじ1/2

1下ごしらえ

いんげんは上下を落とし3等分に切る。なすはいんげんと長さを揃えて1cm角の拍子木に切る。にんじんとじゃがいもは、なすより細めの拍子木に切る。ししとうは種ごと縦半分に切る。

2蒸し煮にする

鍋に1の野菜をすべて入れ、 1カレーリーフとターメリック、水を加えて手で混ぜる。蓋をして中火にかけ、蒸気が上がったら弱火にし、野菜がやわらかくなるまで蒸し煮にする。

蒸し煮にする

3仕上げ

仕上げにAを混ぜ入れ、再度温まったらすぐに火を止める。

完成

教える人

植松良枝 料理研究家

香取 薫 インド・スパイス料理研究家

東京生まれ。
1985年にボランティアで訪れたインドで、スパイスの魅力に開眼。以来、インド中を歩き、地元の家庭に入って料理を研究する。キッチンスタジオ ペイズリー主宰。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「夏のキッチン」に掲載したものです。

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鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。