アスパラガスはユリ科の植物で、新芽の茎部分が可食部。独特の旨味があり、すりながしにもぴったりです!すりながしとは、野菜などをすりおろしてだしと合わせた、しみじみとおいしい汁もの。ことこと煮込むことをしない、素材を生かすシンプルな和の伝統的なスープです。だしや素材を工夫する楽しさと、洋風など無限に広がるおいしさの一端を、京都在住の大原千鶴さんに教わりました。
アスパラガスは加熱するとスープで炊いただけとは思えない旨味が生まれます。冷製なので生の甘海老を合わせましたが、温めていただくときは海老をボイルするといいでしょう。
アスパラガス | 10本(120g) |
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チキンスープ | 1カップ |
甘海老 | 適量(生食用) |
塩 | 小さじ1/4 |
レモンの皮 | 少々 |
鶏もも肉1枚(300g)、玉ねぎ1/4個(50g)、生姜の薄切り10g、水1Lを鍋に入れて中火にかける。沸いたらアクを取り、蓋を斜めにかけて20分煮る。すりながしにはこのスープを使う。スープは塩や淡口醤油で味をととのえるとそのまま味わえ、肉はスープの中で保存し、ゆで鶏として楽しめる。
アスパラガスは下のかたい部分を手で折り取り、穂先を残してピーラーで皮をむき、幅5cmに切って小鍋に入れる。①のチキンスープを加えて中火にかけ、アスパラガスがやわらかくなるまで煮る。
②の火を止め、ハンドブレンダー(あるいはミキサー)にかけてなめらかにし、塩で味をととのえる。そのまま冷ます。
器に盛り、甘海老をのせ、レモンの皮のせん切りを飾る。
おおはら・ちづる 京都・花背の料理旅館「美山荘」が生家。NHK「きょうの料理」、NHK BS4K「あてなよる」にレギュラー出演。京都の暮らしで培ったしなやかな感性でつくる家庭料理と酒肴に定評がある。これまで30冊以上の料理本、エッセイを上梓している。
文:西村晶子 写真:福森クニヒロ
この記事は技ありdancyu!「スープ」に掲載したものです。