旬の野菜の知恵袋。
山ウドを使って海老とグレープフルーツのベトナム風サラダをつくりましょう。

山ウドを使って海老とグレープフルーツのベトナム風サラダをつくりましょう。

料理研究家の植松良枝さんが紹介する「旬の野菜の知恵袋」。春先に旬を迎える、山ウドの4つの活用法を披露します。まずは、ウドの魅力をフレッシュに味わうサラダをつくりましょう。

春先のウドを生で食べる魅力。

ウドには、栽培法が2種類あることをご存知ですか?
山で太陽の光を浴びて育ち、年明けから春先にかけて収穫されるものは「山ウド」と呼ばれています。時季が進むにつれて穂先に青々とした葉が茂り、野生味溢れる山菜の香りと食感が愉しめます。
対して「軟白ウド」は、日光が届かない地下などで育てられた、真っ白でヒョロ長いもの。山ウドに比べるとえぐ味が少なく香りは穏やかで食感はやわらかく、年中出回っているのが特徴です。

ウド
茎が太く、先端にはライムグリーンの芽がついている「山ウド」。4月ごろになると皮が緑がかって、香りが強くなってきます。

いつでも手に入りやすい軟白ウドはクセが少なく食べやすいですが、ウド本来の魅力を味わえるのは、なんと言っても山ウド。
3月から4月にかけてが旬の時季で、葉から根本まで捨てるところなく食べられる野菜です。中でも太くて白い茎の部分は、山の恵を集約したような瑞々しい味わい。
厚い皮を剥いて、生でかじるとシャクッという小気味よい食感と、ほのかな山の香りを感じることができます。

ウドを切っている様子
ウドの茎は皮を剥くと、種類に関係なく真っ白で瑞々しい味わいです。

ベトナムでは山ウドの食感に似ている蓮の茎で、サラダをつくるのがポピュラー。
蓮の茎を山ウドに置き換えて、グレープフルーツとエビを合わせたベトナム風サラダをつくってみましょう。
山ウドの透き通るような白さが映える、目にも美しいエスニックサラダです。

盛り付ける様子
山ウドの風味と、柑橘の酸味、海老の旨味は相性抜群。にんにくと唐辛子の甘酢ダレでマリネします。

山ウドと海老とグレープフルーツのベトナム風サラダのつくり方

材料材料

山ウド150g
殻付き無頭海老12尾(小さめ)
グレープフルーツ1個
ディル4枝
小さじ2
甘酢だれ
・ にんにく小1個
・ 赤唐辛子1本
・ きび砂糖大さじ1
・ レモン汁大さじ1
・ ヌクマム大さじ1
・ 水大さじ1
材料
柑橘は、ウドと旬の時季が同じ文旦やメロウゴールドを使うと季節感が増します。

1下準備

にんにくはすりおろして、赤唐辛子は小口切りする。
きび砂糖、レモン汁、ヌクマム、水をボウルで合わせる。味を確かめながらにんにくと赤唐辛子を加えて甘酢ダレをつくる。
グレープフルーツは房から実を取り出し、食べやす大いきさにほぐしておく。

下準備
にんにくと唐辛子は味が強いので、好みで調節しながら加えましょう。
下準備
グレープフルーツは表皮とうす皮に包丁で切れ目を入れて、丁寧に果実を取り出します。

2ウドを切る

レモン汁小さじ1と水100mlを混ぜたレモン水をつくる。
山ウドを4cmの長さに切ってから皮を剥き、3mmほどの厚さに短冊切りして、酢水(分量外)にさらす。

ウドを切る
ウドは皮を剥いたところから変色が始まってしうので、手早く皮を剥きましょう。
ウドを切る
穂先は皮を剥かなくても柔らかいので、そのままうす切りしましょう。

3海老をゆでる

鍋に熱湯を沸かし、背わたを抜いた海老を殻付きのまま1分ほどゆでる。あら熱がとれたら殻を剥く。

海老をゆでる
殻付きのままゆでることで、身に旨味を閉じ込めます。

4マリネする

ウドを酢水から取り出し、水気を取る。ボウルにウドと、グレープフルーツ、海老、甘酢ダレを入れてマリネする。

マリネする
甘酢ダレは大さじ1ずつ加えて、お好みの味に調節してください。

4盛り付ける

器に盛り付けて、ディルの葉を散らしたらでき上がり。

植松良枝さん
「お好みでフライドオニオンや刻んだローストピーナッツ、えびせんなどを加えるとクリスピーな食感がプラスされますよ」
完成
緑、赤、白の色が散りばめられた華やかなサラダです。

文:植松良枝 写真:宮濱祐美子

植松 良枝

植松 良枝 (料理研究家)

四季に寄り添った食と暮らしを提案する料理研究家。菜園での野菜づくりがライフワーク。春夏秋冬それぞれの季節が極まり、次の季節の準備期間である「土用」を暦の中でも特に大切にしている。一児の母となり、忙しい日々の中で家族への想いも増してさらに深く土用を考えるようになった。