旬の野菜の知恵袋。
山ウドを柳川風に煮込んでみよう。

山ウドを柳川風に煮込んでみよう。

さあ、山ウドを買ってきた。さて、どんな料理をつくろうか。あれ、すぐに思い浮かばないぞ。ああ。どうしよう。そんなときは、柳川風に仕上げてみませんか。

山ウドの魅力を卵でとじ込めましょう。

ウドを酢の物や和え物など白く仕上げるときは、皮を厚めに剥きます。ちょっと待って。捨てられがちなアクのある皮の付近は、炒めたり煮たりすれば、野趣あふれるビジュアルと味わいが愉しめます。

ウドは煮れば、アク抜きなしでも食べられます。

マリネにするときも、酸の作用でえぐ味が和らいで、変色も防げます。ぜひ皮ごと使ってみてください。
真っ白な見た目で、柔らかなウドの食感を繊細に味わいたい場合は、皮をせん切りにしてきんぴらなどの別料理に活用すると良いでしょう。

ウド1本分の皮はこんなにあって見逃せない!せん切りにしてぜひともきんぴらに。食べきるのにちょうどよい量の副菜になります。

本来はごぼうでつくる柳川風のさっと煮を、今回はウドでつくってみましょう。
皮ごとせん切りにしたウドを、色が変わらないうちに卵でとじれば、春の魅力を閉じ込めたようなやさしい色合いと味わいになります。
調味料はだし汁がなければ、めんつゆで代用できます。大きなウドを買ってしまったけど使い切れないときの一品として覚えておくと、心強いレシピです。
炊きたての白いごはんの上に、汁ごとたっぷりのせて頬張ってくださいね。

山ウドの柳川風
半熟卵とだし汁の味わいがウドの香りと相性抜群です。

山ウドの柳川風のつくり方

材料材料 (2人分)

山ウド1/2本(正味150g)
生姜1片
青ねぎ1~2本
3個
鶏ひき肉150g
A だし汁150ml
A 醤油大さじ2
A 料理酒大さじ2
A 味醂大さじ2
A きび砂糖大さじ1
材料

1下準備する

生姜はみじん切り、青ねぎは斜めにうす切りする。
卵は溶きほぐしておく。

青ねぎは九条ねぎなど香り高いものがおすすめです。

2煮る

平鍋か深さのあるフライパンにAを入れて、ひと煮立ちさせる。
鶏ひき肉と生姜を加えて中火で加熱する。

だし汁の中で鶏肉をほぐすようにして煮ましょう。

3卵でとじる

鶏肉がそぼろ状になったら、ウドを皮ごとせん切りして鍋に加える。ひと煮立ちしてから弱火で40秒ほど煮る。溶き卵の2/3の量を回し入れ、蓋をして1分加熱する。

ウドは断面から酸化して黒ずんでしまうので、切ったらすぐに鍋へ入れましょう。
鍋全体に広がるようにウドを散らしましょう。
鍋の表面を覆うように溶き卵を流し入れ、蓋をします。

4仕上げる

青ねぎを散らして、残りの溶き卵を回し入れ、溶き卵が好みのかたさになったら火を止めてでき上がり。

中心に青ねぎ、その周りに卵を流し入れましょう。
だし汁と卵を一緒に取り分けて食べてください。汁気をとれば、お弁当の惣菜にもぴったりです。

文:植松良枝 写真:宮濱祐美子

植松 良枝

植松 良枝 (料理研究家)

四季に寄り添った食と暮らしを提案する料理研究家。菜園での野菜づくりがライフワーク。春夏秋冬それぞれの季節が極まり、次の季節の準備期間である「土用」を暦の中でも特に大切にしている。一児の母となり、忙しい日々の中で家族への想いも増してさらに深く土用を考えるようになった。