さあ、山ウドを買ってきた。さて、どんな料理をつくろうか。あれ、すぐに思い浮かばないぞ。ああ。どうしよう。そんなときは、柳川風に仕上げてみませんか。
ウドを酢の物や和え物など白く仕上げるときは、皮を厚めに剥きます。ちょっと待って。捨てられがちなアクのある皮の付近は、炒めたり煮たりすれば、野趣あふれるビジュアルと味わいが愉しめます。
マリネにするときも、酸の作用でえぐ味が和らいで、変色も防げます。ぜひ皮ごと使ってみてください。
真っ白な見た目で、柔らかなウドの食感を繊細に味わいたい場合は、皮をせん切りにしてきんぴらなどの別料理に活用すると良いでしょう。
本来はごぼうでつくる柳川風のさっと煮を、今回はウドでつくってみましょう。
皮ごとせん切りにしたウドを、色が変わらないうちに卵でとじれば、春の魅力を閉じ込めたようなやさしい色合いと味わいになります。
調味料はだし汁がなければ、めんつゆで代用できます。大きなウドを買ってしまったけど使い切れないときの一品として覚えておくと、心強いレシピです。
炊きたての白いごはんの上に、汁ごとたっぷりのせて頬張ってくださいね。
山ウド | 1/2本(正味150g) |
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生姜 | 1片 |
青ねぎ | 1~2本 |
卵 | 3個 |
鶏ひき肉 | 150g |
A だし汁 | 150ml |
A 醤油 | 大さじ2 |
A 料理酒 | 大さじ2 |
A 味醂 | 大さじ2 |
A きび砂糖 | 大さじ1 |
生姜はみじん切り、青ねぎは斜めにうす切りする。
卵は溶きほぐしておく。
平鍋か深さのあるフライパンにAを入れて、ひと煮立ちさせる。
鶏ひき肉と生姜を加えて中火で加熱する。
鶏肉がそぼろ状になったら、ウドを皮ごとせん切りして鍋に加える。ひと煮立ちしてから弱火で40秒ほど煮る。溶き卵の2/3の量を回し入れ、蓋をして1分加熱する。
青ねぎを散らして、残りの溶き卵を回し入れ、溶き卵が好みのかたさになったら火を止めてでき上がり。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子