ウドの魅力といえば、一本丸ごと使えることでしょう。
根元の部分には、硬くて手強そうなハカマ(木の皮のようなもの)がついていますが、その内側も食べることができるんです。包丁で巨大な鉛筆を削るようにハカマの部分をそぎ切れば、瑞々しい茎の部分が顔を見せてくれます。
野菜売り場や直売所でウドを見かけたら、茎から生える産毛が湿っていない、ふわふわとしているものを選びましょう。表面に傷や黒ずみがなく、先端の芽(または葉)の部分が生き生きとしていれば、新鮮な証です。
冷蔵庫に入れておくと黒ずみやすく、水分が抜けやすい野菜なので、ムレないよう、空気にさらしすぎないようにしましょう。使わない分は洗わずに、乾いたペーパータオルで覆ってからアルミホイルでぴっちり包んで、野菜室の温度が低すぎない場所のおいておくと一週間ほど保存できます。
ウドの皮はうすくて柔らかいので、表面の産毛が黒ずんでなければ必ずしも剥く必要はありません。むしろ、茎よりも香りが強い部分なので、炒めものには皮を剥かずに使っても良いくらい。
皮付きのまま大ぶりに切ってウドを大胆に炒めると、産毛が油と旨味をまとって、風味よく仕上がります。
乱切りすればシャキシャキした食感とほくっとした食感が同時に味わえて、ウドの香りがふわーっと口の中に広がるのも魅力です。しっとり柔らかな鶏胸肉とは相性ぴったり。
味付けは、煎り酒と梅干にお任せあれ。
ウドが梅の酸味と旨味をまとった、炒めものです。
山ウド | 小1本 |
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鶏胸肉 | 1枚(皮なし) |
梅干 | 小2個 |
絹さや | 8~12本 |
煎り酒 | 大さじ2 |
オリーブオイル | 大さじ2 |
絹さやは筋をとり、塩ゆでして2~3等分に切る。
鶏肉は縦半分に切ってから包丁を寝かせて1cm弱の厚みにうす切りして、煎り酒大さじ1をもみこんでおく。
山ウドは皮付きのままひと口大の乱切りにする。酢水(分量外)に10分以上さらして、水気をとっておく。
中火でオリーブオイルを熱したフライパンで鶏肉を炒め、色が変わったら2を加える。ウドの表面が透き通ってきたら、種を抜いた梅干と煎り酒大さじ1を加えて味付けする。絹さやを炒め合わせ、器に盛りつける。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子