
料理研究家の植松良枝先生が披露するカリフラワーレシピ3品目は「サブジ」。スパイスで野菜を蒸し煮して、レモンを搾って食べるインドの国民食。カリフラワーの懐の深い味わいがスパイスの香りを見事にまとめます。きっと、やみつきになりますよ。
カリフラワーは、脇にある葉が生き生きとしていて、白い可食部分の花蕾に蒸れや変色、黒ずみがない瑞々しいものを選びましょう。
保存するときは、湿気に弱いので洗わずに、そのまま乾いたキッチンペーパーで花蕾部分を覆ってからビニール袋に入れてください。
もしも葉がきれいについているのであれば、細かく刻んで、キャベツのようにスープや煮込み料理に加えて食べることもできます。

カリフラワーの淡白な味と染まりやすい白さを活かして、スパイスで味付けするのも一興です。
驚くことに、強めのスパイスで味付けすると、かえってカリフラワーの味が際立ってきます。
インドでは、カリフラワーを使っている料理が数多くあり、タンドール料理(タンドーリチキンなどを焼く壺型の窯でつくる料理)が盛んな北インドでよく出会います。

カリフラワーは、スパイスだれをまとわせてタンドール窯で焼いたり、カレーの具材になっていたりとインドで大人気の野菜なのです。
今回つくるレシピは「サブジ」。日本語で言うと「スパイス蒸し焼き」といった調理法になります。この料理にカリフラワーは本当にお似合いです。
クミンやコリアンダー。ターメリックにカイエンヌペッパーといったインドカレーにおける主要スパイスをまとった黄金色のカリフラワーは、少し歯ごたえがありつつもほろほろっと崩れ、レモンの爽やかさが食欲をそそるひと皿になります。

| カリフラワー | 1株 |
|---|---|
| カリフラワーの葉 | 1株分 |
| にんにく | 小1片 |
| 生姜 | 小1片 |
| 油 | 大さじ2~3(米油などくせのないもの) |
| クミンシード | 小さじ2/3 |
| A コリアンダーパウダー | 小さじ2 |
| A ターメリック | 小さじ1/2 |
| A レッドペッパー | 小さじ1/3 |
| A 塩 | 小さじ1 |
| レモン汁 | 小さじ2〜大さじ1 |

カリフラワーは小房にわけ、大きいものは縦半分に切る。
カリフラワーの葉と軸はシャキシャキとした食感が出るように斜めうす切りする。にんにくと生姜はうす切りする。Aは合わせておく。


底が丸みを帯びた鍋またはフライパンに油とクミンシードを入れてから弱火にかける。クミンシードの表面から細かい気泡が出てきたら、にんにくと生姜を加えて香りが立つようにさっと炒める。


カリフラワーと葉、Aと水大さじ3(分量外)を加えて全体を炒め合わせる。蓋をして、弱火のままカリフラワーがほくっと柔らかくなるまで5分蒸し焼きにする。途中で一度カリフラワーの上下を返します。



蓋を外して水分がなくなるまで炒め、火を止めてからレモン汁を搾りかける。器に盛りつけてでき上がり。


――つづく。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子