発酵鍋シリーズの掉尾を飾るのは、白菜漬けを使ってつくる鍋。高菜漬け、コチュジャン&豆板醤、味噌、酒粕と紹介してきて、このほかにも醤油や味醂、酢などの調味料、納豆やチーズ、甘酒や腐乳などなど、いろいろな発酵食品でバラエティに富んだ鍋づくりにもチャンレンジしてください!
添加物のない白菜漬けは家で簡単につくれます。ゆで豚、凍り豆腐もつくってストックしておけば、食べたいときに即、白菜漬け鍋。突き抜ける旨さで、箸の休む暇がありません。事前に3つの準備をしてクリアして、旨鍋にありつこう!
たった4種類の材料でつくる鍋だから、いろいろな薬味を用意したい。香菜やねぎ、生姜に胡麻。腐乳(ふにゅう、フールー、豆腐からつくる中国の発酵調味料)があればなおよし!
白菜漬け | 800g |
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★ ゆで豚 | |
・ 豚バラ肉 | 500g(塊) |
・ 酒 | 1/3カップ |
・ 水 | 4カップ |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ 生姜の皮 | 1片分 |
・ 長ねぎの青い部分 | 1本分 |
凍り豆腐 | 1丁(木綿豆腐) |
春雨 | 80g |
豚肉のゆで汁と鶏ガラスープ | 8~10カップ(ない場合は熱湯7~8カップに鶏ガラスープの素小さじ1を溶かして代用。) |
酒 | 大さじ3 |
★ 薬味 | |
・ 香菜 | 1束 |
・ 長ねぎ | 1/2本分(みじん切り) |
・ 生姜 | 1片分(すりおろし) |
・ 白練り胡麻 | 大さじ3 |
・ 白切り胡麻 | 大さじ2 |
・ 豆板醤 | 適宜 |
・ 黒酢 | 適宜 |
材料(つくりやすい分量)は白菜2kg、塩。60g。白菜は長さを2~3等分に切り、芯のほうは縦に幅1cmに切り、葉のほうは縦に幅2cmに切って大きなボウルに入れる。塩をふって両手で全体に塩がなじむように混ぜ、しんなりするまでおく。
ジッパー付きの保存袋に入れて余分な空気を抜き、室温に1~2週間おく。白菜の色が変わり、少し酸味が出てきたら冷蔵庫で保存する。2~3ヵ月は保存可能。
室温にもどしたも豚肉を鍋に入れて水を加え、中火にかけて煮立ってきたら、残りの材料を入れて再び煮立ってきたら、火を弱めて蓋をして40分~1時間ゆでてゆで汁につけたまま冷ます。
冷蔵庫にひと晩ほどおいて表面に固まった脂を取り除く。豚肉、ゆで汁とも冷凍保存が可能。
豆腐はバットに並べて冷蔵庫に入れてひと晩おいて凍らせる。豆腐よりも凝縮した旨味と噛みごたえのある食感がおいしい。多めに凍らせてストックしておいてもいい。
ゆで豚は長さを半分に切って縦に薄切り、煮汁は濾す。凍り豆腐は解凍して水気を絞り、縦半分に切ってから厚さ8mmに切る。春雨はたっぷりの熱湯に入れて1分ほどゆでてザルにあげ、冷めたら食べやすい長さに切る。白菜漬けは軽く水気を絞る。香菜は長さ1cmに切る。
土鍋に豚のゆで汁、鶏ガラスープを入れて火にかけ、酒で調味する。白菜漬け、ゆで豚、春雨、凍り豆腐を入れて煮る。好みの薬味を添えて、出来上がり。
たった4種類の材料でつくる鍋だから、いろいろな薬味を用意したい。香菜やネギ、生姜に胡麻、腐乳(ふにゅう/フールーは豆腐からつくる中国の発酵調味料)があれば、なおよし!
シンプルながら失敗なくつくれるレシピに定評がある料理研究家。特別な素材、調味料は使わず、余分な手間はそぎ落とした“引き算の料理”が身上。同じ料理でも先生のレシピでつくるとまた食べたくなるので、ぜひ試してみてください。
文:中村裕子 撮影:鈴木泰介