スープをじっくりつくる、手軽につくる
「けんちん汁」を白菜と豆腐だけで簡単につくる。

「けんちん汁」を白菜と豆腐だけで簡単につくる。

スープ作家の有賀薫さんがつくる「けんちん汁」は、具材がふたつあればつくれます。疲れているとき、飲み過ぎたとき、心と体を癒す滋味深い「かんたんけんちん汁」はいかがですか?

白菜と豆腐の旨味を感じる養生スープ。

外食が続きがちな人は、ときどき、あっさりした精進料理で胃腸を休め、体調を整えるというのが理想です。でも、手間のかかる料理だと、胃は休まっても心と体が休まらない。昨日飲みすぎてしまった……なんてときにすぐ思い立ってつくるには、ハードルが低い料理がいいですね。

こんなときに大活躍するのが、具材がふたつの「けんちん汁」。白菜と崩した豆腐でつくります。白菜は非常にグルタミン酸の多く含まれる野菜。豆腐にももちろん豆の旨味があります。鍋には必ずと言っていいほど入っていて、白菜と豆腐を煮るというのはとても理にかなっているのです。

有賀さん
スープ作家の有賀薫さんが披露する「かんたんけんちん汁」は、20分足らずでつくれます。

さらに、昆布だしを加えれば、あっさりして食べ疲れないのに、じんわりと旨味を感じる一椀になります。昆布だしは先にとっておくのではなく、具材と一緒に昆布を入れてしまいます。このぐらいの時間煮出すだけでも、案外だしは出ているもの。昆布のかわりに干し椎茸を入れてもおいしいです。
野菜を炒めてから煮るのは、本格派のけんちん汁と同じです。白菜を炒めて、かさを減らしてから水と昆布を加えましょう。

炒める
豆腐と白菜は精進料理の定番食材。このふたつだけでもスープは十分成り立ちます。

野菜、豆腐、昆布と淡い旨味を重ねていって満足感をつくりだすこと、胡麻油でコクを出すのが、このシンプルなけんちん汁の大きなポイントです。
けんちん汁のルーツである普茶料理(普茶料理)は、中国から伝来してきた精進料理です。油を使う習慣のなかった日本に、油で揚げる、炒めるなどの料理が伝わりました。純和風料理のけんちん汁も、もとはといえば海外の料理だったというのが面白いですよね。
このシンプルなけんちん汁、白菜のほかにトマトなどを使ってもおいしくつくれます。ぜひほかの野菜でも楽しんでください!

白菜と豆腐のけんちん汁のつくり方

材料材料 (3~4人分)

白菜1/4個
木綿豆腐1丁
昆布20cm
胡麻油大さじ3
1L
適量
胡椒適量
材料

1 具材を下ごしらえする

豆腐はキッチンペーパーで包み、600wのレンジに2分かけて水分を抜く。白菜は洗って、葉と芯に分けて2cmほどの大きさに切る。

具材を下ごしらえする
具材を下ごしらえする

2 炒める

鍋を中火にかけて、胡麻油を熱したところで白菜の芯を炒める。芯から水分が出始めたら、葉を加えて4分ほど炒める。
水と塩小さじ2、昆布を加えて8分煮る。

炒める
炒める

3 仕上げる

鍋に豆腐を入れて、食べやすい大きさに崩す。豆腐が中まで温まったら、塩で味を整えて火を止める。器によそって胡椒を振りかければでき上がり!

仕上げる
完成

仕上げにかける胡椒を、ラー油や唐辛子に変えてもガラッと雰囲気が変わります。淡い味わいなので、自分なりのアレンジをしてみてください。たまには、手軽につくったスープで時間と気持ちに余裕を持つことを忘れずに。

――つづく。

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2018年09月28日発売 / 1,404円(税込)

文:有賀薫 写真:キッチンミノル

有賀 薫

有賀 薫 (スープ作家)

1964年、東京都生まれ。ライター業のかたわら、家族の朝食にスープをつくり始める。2011年より始めた朝のスープづくりは、約3000日にわたって続けている。2018年には『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』(文響社)が第5回料理本大賞入賞。スープの実験イベント"スープ・ラボ"はじめ、スープをテーマにしたイベントを多数主催。著書に『365日のめざましスープ』(SBクリエイティブ)、『スープ・レッスン』(プレジデント社)がある。