夏はスパイスたっぷりのチキンカレーがおいしい。トマトベースであっさりしているので、食欲がわかないときにもおすすめですよ。スパイスのアレンジ次第で、自在に自分好みの味わいに変えることだってOK。夏にぴったりなチキンカレーをどうぞ!
チキンカレーで使う鶏肉は、もも肉がおすすめです。適度に脂がのって、旨味がしっかりしているのが、もも肉の特徴。極上のチキンスープを抽出しながら、じわじわとカレーに仕立てていきます。歯ごたえもあって、ジューシー。
にんにく、生姜は単なる隠し味ではありません。本場インドでは、カレーにはにんにく、生姜が必需品。 カレーの味を下支えしてくれる、タフな材料なのです。旨いカレーづくりの秘訣はにんにく、生姜にあり!
昆布の旨味成分と同じ、グルタミン酸を含むトマトもカレーのコクを深めるための強い味方。
生のトマトであれば完熟のものを使うのがポイント。完熟がないときは、トマト缶やトマトジュースでも代用可能。分量は生トマトと同量でOK。
旬の時期に出回る完熟のトマトは冷凍保存が可能です。解凍してから、生トマトと同様の手順で調理してください。
万能のカレー粉に好みの味や香りをプラスすれば、うっとりするような風味のカレーに仕上がります。
大人の甘味が欲しいときはシナモン、「これぞインド」という 個性的な香りが食べたいときはクミン、爽やかで高貴な香りのカルダモン、肉のくさみを取ったり、爽やかな香りを提供してくれるローリエ、というように 1種2種と加えながら好みの味に仕立ててください。 今日はガツンと辛いカレーが食べたい、というときは赤唐辛子や強い辛味成分をもつカイエンペッパーなど 辛味強化スパイスをプラスしてさらにホットに。
鶏もも肉 | 3枚(800g) |
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★ 鶏肉の下味用 | |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ カレー粉 | 大さじ1/2 |
玉ねぎ | 3個 |
トマト | 大3個(完熟) |
にんにく | 2片(みじん切り) |
生姜 | 大さじ1(すりおろし) |
プレーンヨーグルト | 300g |
サラダ油 | 大さじ5 |
カレー粉 | 大さじ3~4 |
★ 好みのスパイス | |
・ 赤唐辛子 | 2~3本 |
・ カイエンペッパー | 小さじ1/2~1 |
・ クミンシード | 小さじ1 |
・ カルダモンホール | 4~5粒 |
・ シナモンスティック | 小1~2本 |
・ ローリエ | 1枚 |
塩 | 小さじ1 |
玉ねぎはみじん切りにする。トマトはへたを取って横半分に切り、種があると、出来上がったときに舌に残ることがあるので、種を取って、1cm角に切る。
鶏もも肉は1枚を8等分に切り、ボウルに入れる。下味用の塩、カレー粉をまぶして20分ほどおいておく。
フライパンにサラダ油大さじ1を熱して下味をつけた鶏肉を入れ、強めの中火で両面を焼きつける。
炒めた玉ねぎに焼きつけた鶏肉を入れ、カレー粉を加えて炒める。ヨーグルト、トマト、塩を加えて混ぜ、蓋をして煮込む。途中、トマトが煮くずれて水分が出てきた状態になったら、底から混ぜて、弱火で25~30分煮込む。
明日はビーフカレーです!
シンプルながら失敗なくつくれるレシピに定評がある料理研究家。特別な素材、調味料は使わず、余分な手間はそぎ落とした“引き算の料理”が身上。
文:中村裕子 撮影:野口健志