いい店見つけた!
【本格フレンチ×ノスタルジック洋食のハイブリッド】日本橋が誇る一つ星「La Paix(ラペ)」から生まれたフレンチ洋食ビストロ 「Lappetit(ラペティ)」(日本橋)

【本格フレンチ×ノスタルジック洋食のハイブリッド】日本橋が誇る一つ星「La Paix(ラペ)」から生まれたフレンチ洋食ビストロ 「Lappetit(ラペティ)」(日本橋)

編集部が注目する、おいしくて居心地のいい店をご紹介する連載「いい店見つけた!」。13回目は、日本橋を拠点にフランス料理のおいしさをさまざまな形で届けている「ラペグループ」のニューフェイス「ラペティ」にフォーカスします。

肩の凝らない本格フレンチと大人のための洋食をライブ感あるカウンターで楽しむ

東京・日本橋を代表する人気店のひとつ「ラペ」。オーナーシェフ・松本一平さんが2014年に開業したミシュランガイド一つ星の名店で、古典を踏まえた本格フランス料理をベースにしながら、日本のエッセンスを無理なく融合。フレンチ初心者からフーディーまで、誰もがおいしいと思える素直で優しい味わいで、多くのファンに支持されている。

その姉妹店として2025年7月にオープンしたのが「ラペティ」だ。
「ラペティ」の指揮を執るのは、「ラペ」で4年間研鑽を積みスーシェフを務めた廣瀬翔太郎さん。オーナーシェフの松本一平さんは、「自分が口を出すと自分の範疇に留まり、メニューに広がりがなくなる」と、仕入れ先などは共有するものの、メニュー開発やワインのセレクトはすべて任せ、あえて関わらないと言う。

その結果、アットホームな小料理屋で育ち、フランスでの修業経験を持つ廣瀬さんのバックグラウンドに繋がる、のびのびと軽やかなフレンチとほっこり和む洋食をランダムに組み合わせたユニークなメニューが誕生した。

廣瀬翔太郎さん(右)と松本一平さん
「ラペティ」シェフ廣瀬翔太郎さん(右)と「ラペ」オーナーシェフ松本一平さん。

メニューはコースのみで、ランチが6,050円と7,480円。ディナーが9,900円と13,200円。お腹の具合やその日の気分で、品数を調整したりデザートを増やしたり、自由にアレンジできる。レストランの高価格化が進むなか、「ラペグループ」として食材を共有し、フードロスを削減するなどコストカットに工夫をして、普通の食いしん坊が楽しめる良心的な価格設定をキープしているのもありがたい。

現在味わえる初夏のメニューを見てみよう。

料理
全コースに共通する前菜“炙りイサキと焼きなす、きゅうりとディルのチミチュリソース”

こちらは前菜として登場する“炙りイサキと焼きなす、きゅうりとディルのチミチュリソース”。塩で軽くマリネしてから皮目をしっかり炙ったイサキに、焼きなすとクスクスを黒ニンニクドレッシングで和えたタブレを添えた。ソースはきゅうりとディル、ライム、青唐辛子。トップにはフェンネルの葉、ディル、花穂紫蘇を散らしている。軽い酸味とかすかな辛味が南仏を思わせる。

料理
ディナーの2コースに含まれる“ラペティ メンチ”
料理

通年で提供されるシグネチャーディッシュのひとつ“ラペティ メンチ”は、豚の頭や耳、豚足などを煮凝りにするクラシック料理フロマージュ・ド・テッドをメンチカツに大胆にアレンジしたもの。季節ごとに合わせる食材を変え、春は山菜、現在はゴーヤととうもろこし。リズミカルな食感が楽しい。
季節変わりのサラダ(現在はメークインと青りんご、クレソンのサラダ)と自家製の爽やかなウスターソースが添えられる。

料理
ディナーの9,900円のメインディッシュ“仔羊のロースト”

人気の“仔羊のロースト”は、オーストラリア産のラムを使用。オーストラリアのラムは野生味が少なめで、フレンチのソースに合いやすいそう。ソースは肉汁と焼きパプリカ、エシャロットのレディクションに、モロッコやチュニジアなど北アフリカでよく使われる発酵唐辛子調味料“ハリッサ”を加えている。

料理
4コース共通のデザート(2種類からひとつを選択する)“とうもろこしのプリン”

レトロなプレゼンテーションが郷愁を誘う“とうもろこしのプリン”は、これぞザ・洋食といった面持ち。子供時代に誰もが憧れたプリン・アラモードを思い出すが、味わいはかなり大人仕様。甘さを抑えたとうもろこしのプリンに、パルミジャーノのクランブルとマスカルポーネのクリーム、隠し味として醤油を塗って焼いた焼きとうもろこしをトッピング。夏らしいマンゴーとエスプレッソのアイスクリームを添えた。夏のシグネチャーデザートで、こちらは2026年バージョンの進化系。

ワイン
春のコースのペアリングで提供されていたワインの一例。左から、ブード ボーダン ゼロ ブリュット、ゾンメラッヒャー シルヴァーナー トロッケン2023、ジンク ピノブラン2023、ブロイヤー&メアライン&ルンデン リースリング ベンチャー2022、フェルム ブランシュ カシー ロゼ2022、ゴファス セメリオ ネメア リザーブ2022。

「ラペティ」のもうひとつの魅力がワインペアリング。スタンダードは6種類のワインが飲めるスペシャルペアリング(7,000円)だが、あまり量が飲めない人でも楽しめるハーフペアリング(3,800円)もあるし、逆にたくさん飲める人には予算と好みに応じていくらでもペアリングを組んでもらえる。開店当初から「価格設定がバグってる」と話題だったが、今年になってシニアソムリエ・丹羽健一さんがチームに加わったことで、さらにすごいことになった。写真を見ていただくと、ワインが好きな人なら、「わ、ワインのヘンタイのセレクション」とすぐにわかるはずだ。

オーナーシェフの松本さんは、修業時代の10数年間を日本橋で過ごしたこともあり、日本橋を第二の故郷のように思っていると言う。「国内外の遠方から足を運んでくださるお客様も、もちろんありがたく大歓迎ですが、この土地で働いたり、生活したりしている方たちの日常の楽しみのひとつになりたい」と、日本橋にいろいろなおいしさを届けている。

「ラペ」で培われたフレンチを通奏低音として、2021年おでんとフレンチをかけ合わせたワインに合うおでん懐石「平ちゃん」、2023年イタリアンとフレンチを融合した新感覚のイノベーティブイタリアン「Peace(ピース)」をグループ店として展開。ここに「ラペティ」が加わり「日本橋コンソーシアム化」はさらに厚みを増した。

「人・場所・時が揃ったら、今後もさらに展開したい」と松本さん。次はどんなジャンルの料理に松本さん流の魔法をかけるのだろう。

店内

店舗情報店舗情報

L'appetit(ラペティ)
  • 【住所】東京都中央区日本橋本町1‐4‐1 2階
  • 【電話番号】050‐1725‐1194
  • 【営業時間】11:30〜12:30(L.O.)18:00〜19:30(L.O.)
  • 【定休日】火曜、他に不定休あり
  • 【アクセス】東京メトロ「三越前駅」A1・A4出口より3分

文:詩文 shifumy 撮影:鈴木智哉

詩文 shifumy

詩文 shifumy (旅するフードジャーナリスト)

ガストロノミーツーリズムをテーマに、世界各地を取材して各種メディアで執筆。スターシェフをはじめ、各国でのインタビュー多数。訪れた国は約110ヶ国。著書に『ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~』(小学館)シリーズ3巻。Instagram(@travel_foodie_tokyo)でも美食旅情報を発信中。

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