明日、どこに食べに行こう?
ふっくらジューシーな白レバーが魅力の「串焼とくり」|気軽に美味しい町焼鳥③

ふっくらジューシーな白レバーが魅力の「串焼とくり」|気軽に美味しい町焼鳥③

千駄木には不忍通りに沿ってくねくね曲って走る道があります。そこにひっそりと灯る赤提灯の店「串焼とくり」はくつろぎやすい雰囲気の中、店主の技を味わえる場所です。

間口は広く、懐は深い

夕暮れ時の千駄木。不忍通りに沿って、くねくね曲がって走る“へび道”に赤提灯が灯る――町に馴染む小さな店「串焼とくり」。店主・宮下正志さんの扱う“つくば茜鶏”の焼鳥は、中火の遠火で脂を落とし、臭みのないまろやかな味に仕上げる。人気の“ちぎも”は、一日ねかせた白レバーを中心部ギリギリまで火を通し、ふっくらジューシーな焼き上がりに。舌にしっとりまとわりつくような食感に、技術の高さが窺える。赤ワインで味に奥行きを加えたタレとの相性も抜群だ。
日本酒も常時30種近く揃えるなど、酒に関してもマニアック。「B型だからか、何事もとことん追究しがち」と自己分析する店主だが、料理にもサービスにも、押しつけがましさはまるでない。「手取り足取り説明するのではなく、好き勝手に楽しんでもらえたら」という言葉の通り、間口は広く、懐は深い。掘れば掘るほど味わいを増す、そんな焼鳥酒場なのだ。

焼き鳥
左から人気のちぎも、希少な背ぎも、塩つくねを大葉で巻いたしそ巻、赤柚子胡椒をトッピングしたふりそで、えんがわ、埼玉県幸手市産の鴨の合鴨つくね。旨口濃厚だがキレのいい“勢正宗”(グラス)600円と合う。
店内
店主の宮下正志さんと、妻のもえ子さん。店主の好みであるR&Bやブラジル音楽が流れる店内は、気楽にくつろげる雰囲気。
鶏もつとひよこ豆の白ワインソース煮込み950円。日本酒のほか本格焼酎も常時12~13種類揃える。

締めの一品 鶏そぼろ丼

鶏そぼろ丼

卵黄や三つ葉、紅生姜、白髪ねぎものって、見た目もカラフルな鶏そぼろ丼740円。焼鳥以外の一品料理も充実していて、煮込みだけでも3種類ほどある。

店舗情報店舗情報

串焼とくり
  • 【住所】東京都文京区千駄木2-49-8
  • 【電話番号】03-3821-8910
  • 【営業時間】18:30~23:00(L.O.)土曜は18:00~ 日祝は17:00~
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】東京メトロ「千駄木駅」より5分

文:宮内健 写真:岡本寿

※この記事の内容はdancyu2019年11月号に掲載したものです。