明日、どこに食べに行こう?
福島の鶏と酒に、惜しみない愛を注ぐ「和酒 焼鳥 ももふく」|気軽に美味しい町焼鳥②

福島の鶏と酒に、惜しみない愛を注ぐ「和酒 焼鳥 ももふく」|気軽に美味しい町焼鳥②

人形町にある「和酒 焼鳥 ももふく」は、福島への愛が詰まった店です。福島の銘柄鶏のもも肉は焼鳥好きなら一度は食べなくてはならない味です。

柔らかさと脂ののりがピカイチ

焼き鳥
手羽先、ぐりぐり(膝軟骨)、実山椒を忍ばせた香り高いつくねも外せない一本。

“福島”愛にあふれた店である。冷蔵庫には福島の地酒が、品書きには福島の佳肴が並ぶ。女将の能登玲(れい)さんは福島市出身。震災以来、故郷の役に立ちたいと考えていた。
「日本酒は全国新酒鑑評会で金賞受賞数7年連続日本一。桃やりんごなどの果物も、米も野菜も鶏肉も、何でも美味しいことをお伝えしたいんです」
焼鳥には、福島の銘柄鶏“伊達鶏”を。「もも肉の柔らかさと脂ののりがピカイチ」と、夫で店主の謙二さん。「ももふく」一番人気の串は“まる”。もも肉を皮と身に分け、身を切り分けてから皮を巻き直し、串に刺す。このひと手間で皮が肉の旨味を閉じ込め、焼きたてを頬張ると鶏のエキスがジュッと口中に噴き出すのだ。
店名の「ももふく」には「もも肉を食べて幸せに」という思いが込められている。別の由来もあるので、女将にぜひ聞いてみて。そこにも故郷への愛が、きゅっと詰まっているから。

鮭とイクラの親子漬け
福島県民のソウルフード“いかにんじん”400円(手前)と、“鮭とイクラの親子漬け”680円。
焼き鳥
手前がももふく特製の“まる”。すり鉢でパウダー状にした塩を均一にふって焼く。肉は柔らか、皮はパリパリ。奥の白レバーはねっとりしつつもくどさのない後味。ともに一本250円。日本酒は半合450円~。

締めの一品 とり玉子雑炊

とり玉子雑炊

鶏ガラを6時間ほど煮込んでつくる超濃厚スープとご飯が完全に一体化!まるでポタージュのようなとろとろの口当たり。米は福島産の“天のつぶ”を使用。450円。

店舗情報店舗情報

ももふく
  • 【住所】東京都中央区日本橋人形町2-26-14
  • 【電話番号】03-6661-6422
  • 【営業時間】11:30~13:00 17:30~21:30(L.O.)
  • 【定休日】土曜 日曜 月曜 祝日(昼は月曜も営業)
  • 【アクセス】東京メトロ・都営浅草線「人形町駅」より3分

文:佐々木香織 写真:岡本 寿

※この記事の内容はdancyu2019年11月号に掲載したものです。

佐々木 香織

佐々木 香織 (ライター)

福島出身の父と宮城出身の母から生まれ、東北の血が流れる初老の編集ライター。墨田区在住。食べることと飲むことが好き。お酒は何でも飲むが、とくに日本酒と焼酎ラヴァー。おもな仕事は新聞やウェブでの連載、雑誌や書籍の編集・取材・執筆。テーマは食べもの、お酒、着物など。