おにぎりに欠かせないもの。それはもちろん米ですよね。「小島米店」では、おにぎりに最適な米を研究し、プロが考え抜いた珠玉のおにぎりを楽しめます。
餅は餅屋というけれど、おにぎりはなんといっても米がなくては話にならない。その点、「小島米店」がおにぎり屋を始めたのは得心がいく。すでにおにぎりを売り出してから38年。確かにお米には並々ならぬ自信があるのだろう、炊き方も独特。ガス釜にヒノキの重い蓋を2枚重ねて置き、圧力をかけて炊く。「そうすると米が、ぴーっと立つのよ」と店主の小島透さん。
その自慢の米で握った“ナイスなボケナス”(故坂上二郎さんの好物)を食べて納得しない者はいないだろう。ちょっと甘めの味噌だれと、しんなりした茄子の歯ざわり。そこへ大葉の香りが加わり、ふっくら甘いご飯が包み込む。炊き加減が絶妙で、米の強い存在感と具を引き立てる奥ゆかしさが同居している!さらに海苔の香りと歯ざわりがアクセントを与えると、思わず唄い出したくなる。そうだ。おにぎりは米と具たちの合奏なのだ、と合点した。
文:加藤ジャンプ 写真:牧田健太郎
※この記事の内容はdancyu2018年11月号に掲載したものです。