明日、どこに食べに行こう?
米のプロが考え抜いた自信作「小島米店」|食べると元気が出るおにぎり屋さん⑤

米のプロが考え抜いた自信作「小島米店」|食べると元気が出るおにぎり屋さん⑤

おにぎりに欠かせないもの。それはもちろん米ですよね。「小島米店」では、おにぎりに最適な米を研究し、プロが考え抜いた珠玉のおにぎりを楽しめます。

米屋の本気おにぎり

おにぎり
“ナイスなボケナス” 200円。甘めの味噌だれに負けない米の旨味と、炒めた茄子と米を調和させる大葉のアクセントが見事な一品。
おにぎり
海苔は少し時間が経っても美味しいように、硬めのものを使用。

餅は餅屋というけれど、おにぎりはなんといっても米がなくては話にならない。その点、「小島米店」がおにぎり屋を始めたのは得心がいく。すでにおにぎりを売り出してから38年。確かにお米には並々ならぬ自信があるのだろう、炊き方も独特。ガス釜にヒノキの重い蓋を2枚重ねて置き、圧力をかけて炊く。「そうすると米が、ぴーっと立つのよ」と店主の小島透さん。
その自慢の米で握った“ナイスなボケナス”(故坂上二郎さんの好物)を食べて納得しない者はいないだろう。ちょっと甘めの味噌だれと、しんなりした茄子の歯ざわり。そこへ大葉の香りが加わり、ふっくら甘いご飯が包み込む。炊き加減が絶妙で、米の強い存在感と具を引き立てる奥ゆかしさが同居している!さらに海苔の香りと歯ざわりがアクセントを与えると、思わず唄い出したくなる。そうだ。おにぎりは米と具たちの合奏なのだ、と合点した。

ごはん
炊きたてアツアツの美味しさを、すばやく丁寧に握って閉じ込める。熟練したスタッフが、型は使わず手で握るのが信条だ。握るそばから売れていくため、厨房はいつも忙しい。

店舗情報店舗情報

小島米店
  • 【住所】東京都練馬区旭町1-34-10
  • 【電話番号】03-3977-5368
  • 【営業時間】6:00~17:00(売り切れ仕舞い)
  • 【定休日】月曜
  • 【アクセス】東京メトロ大江戸線「光が丘駅」より17分

文:加藤ジャンプ 写真:牧田健太郎

※この記事の内容はdancyu2018年11月号に掲載したものです。

加藤 ジャンプ

加藤 ジャンプ (文筆家)

1971年東京生まれ。横浜と東南アジア育ち。一橋大学卒業後、出版社勤務をへてフリー。酒と酒場、肴と酔っ払いを愛し、コの字酒場探検をつづける。著書に「コの字酒場はワンダーランド」(六耀社)などがある。テレビ「二軒目どうする?」(テレビ東京系)のおつまみさんとしても出演。ときどき絵も描く。