段階的に外出規制が緩和されはじめているニューヨーク。しかし、まだ予断を許さない状況である上に、白人警察官の黒人殺害に対する抗議行動も激化しています。このような状況の中、現在ニューヨーク在住の俳優の大野拓朗さんが、頼みの綱でもあるデリバリー事情を現地からレポート。
今回は「Vee’s Restaurant」からデリバリーです。
ニューヨークといえばジャークチキン!これを食べなきゃニューヨーカーじゃない!と、友人から教えられ、急いで食べたのはちょうど都市封鎖前の3月某日。この日、僕はニューヨーカーになった(笑)。格別に美味しかった。
そして今回、部屋に籠る生活の中であの味を思い出し調べてみると、Uber Eatsにデリバリーサービスがあって、メニューには「ジャークポーク」なるものが存在していたので、それを注文してみました。
デリバリーを待ちながら、ジャークチキンの勉強をしようと歴史を調べてみたら、なんと、ジャマイカ生まれの料理じゃないか!しかも、この料理には長い長いジャマイカの歴史が深く反映されている。さかのぼること、原住民時代から始まり、奴隷制度から逃れ、山奥に隠れ住む人々が食糧不足を回避するために野生のイノシシ等を捕まえて、その肉をスパイスや塩を使って長期保存していた頃から受け継がれていたとは……。言わばジャマイカのソウルフード。
友人よ、僕は恥ずかしい。
そんな深い歴史を胸に、今度はジャマイカ料理としてのジャークポークをいただきました。
ポークはジャークスパイスを付けて豪快に焼き上げています。白米の上に、ゴロゴロと大きなポークが8ピースものっていて、その上から塩ベースのタレがたっぷりかかっています。ポークの見た目の黒さからガチガチに焼きあがっちゃってるんじゃないかと心配しながら一口かじってみると、とっても柔らかくジューシーで、ジャークスパイスが絡み合いピリ辛スパイシーな味、ジャマイカだ!
さらにポークたちに紛れて2スライス入っているのが、カラメル色の焼きバナナ。
あとは付け合わせに、サラダ(茹でたレタス、インゲン、にんじん、グリンピース)と、アメリカと言えば!のマカロニチーズをトッピングしました。Mac and Cheeseってやつですね。
ジャークポークは、食べ進めていくうちにどんどんチリペッパー類の刺激的な辛さを感じるようになってくるので(スパイスカレーがどんどん口の中で辛くなって行くような……)、バナナとマカロニチーズが合う!ひ~ふ~ひ~ふ~と言いながらあっという間に完食です。
ああ、またしても想像するだけでよだれが……。今日も、また頼もうかな。
ジャークポークMサイズは通常8ドルなんですが、謎の「small fee」でプラス2ドルかかるというので、せっかくだからLサイズにしました。女性だったら3人でシェアできるくらいの量かなあ。そう思うと割安ですね!
余談ですが、このジャークスパイス、これといった定義はなくて、基本のスパイスを除いては、人それぞれなんですって。だから、家庭によって、お店によって全然違う味なんだそう。ここにも歴史が関係しているのかな。