カメラマンの長野陽一さん。今、食べに行きたい、会いに行きたい料理はなんですか?と聞くと……。
ステイホーム。
長いこと外食らしいそれをしていない。
近所のお店のいつもの味を、たまにテイクアウトで楽しんでいるが、できれば厨房やホールの声を聞き、お客さんに囲まれて、わいわいとその料理を味わいたい。
取材に行けず、この記事のように家で原稿を書いたり、
膨大な過去の写真から必要なデータを探す時間が続いている。
料理の写真を見つけては「これ美味しかったな」と
味だけでなく、一緒に食べた人や話したことなど、当時の記憶を呼び覚まし、またその場所へ訪れたくなる。
人恋しさはあるものの、
世の中はもちろん、世界が落ち着いたら食べに行きたい料理を、
遠くへ旅に出たくなった勢いで3つ、選びました。
珍しい料理でなく、美味しさの驚きはあるものの、どこかなつかしくホッとする味。
いま食べたい料理は、かつて旅先で家族や仲間たちとテーブル(カウンター)を囲み、
疲れた胃袋にやさしかった思い出の料理だ。
以前と変わらず、また安全に旅行ができますように。
願いを込めて。
写真・文:長野陽一