青山通りの横道に佇む中華料理店にはオムライスがあります。その理由とは――。
昼に打ち合わせが終わった後、お腹空いたなぁ、と青山通りを歩いてふと横道を見ると食堂を発見。「精陽軒」という店名は洋食だけれど、表に出ているメニューは中華。面白そうなので入ってみたら、ちょっときれいな町中華的空間でした。メニュー表を開くと、料理の種類がものすごく多い。チャーハンにしようか、麺にしようかと目を泳がせていると、「オムライス」という文字が。洋食メニューを出す町中華はあるが、なんとなく趣が異なるような……。
運ばれてきたオムライスは、町中華のものではありませんでした。美しい黄色に包まれ、ケチャップがたっぷり。ケチャップライスはしっとりと炒められ、懐かしい味わい。見事に洋食でした。
実はこのお店、1914年(大正3年)開店の“百年食堂”で、当初は洋食店であったとのこと。その後、中華料理に業態変更したものの、オムライスはいまだにメニューに残っているのでした(確かに、オムライスなら中華の材料でもできる!)。
というわけで、写真のように、立派な洋食のオムライスに中華スープとザーサイと冷奴が付く、というちょっと不思議な定食になるのでした(ちなみに、餡かけの「中華風オムライス」というメニューもあります)。
一緒に餃子も頼みました。これも優しい味わい。食べていて思い出したけど、そういえば以前、この近所のワインバーで飲んでいたとき、ママさんがここの餃子を出前で取ってくれたことがありました。長く地元に密着している店はいいですね。
文:植野広生
昼に打ち合わせが終わった後、お腹空いたなぁ、と青山通りを歩いてふと横道を見ると食堂を発見。「精陽軒」という店名は洋食だけれど、表に出ているメニューは中華。面白そうなので入ってみたら、ちょっときれいな町中華的空間でした。メニュー表を開くと、料理の種類がものすごく多い。チャーハンにしようか、麺にしようかと目を泳がせていると、「オムライス」という文字が。洋食メニューを出す町中華はあるが、なんとなく趣が異なるような……。
運ばれてきたオムライスは、町中華のものではありませんでした。美しい黄色に包まれ、ケチャップがたっぷり。ケチャップライスはしっとりと炒められ、懐かしい味わい。見事に洋食でした。
実はこのお店、1914年(大正3年)開店の“百年食堂”で、当初は洋食店であったとのこと。その後、中華料理に業態変更したものの、オムライスはいまだにメニューに残っているのでした(確かに、オムライスなら中華の材料でもできる!)。
というわけで、写真のように、立派な洋食のオムライスに中華スープとザーサイと冷奴が付く、というちょっと不思議な定食になるのでした(ちなみに、餡かけの「中華風オムライス」というメニューもあります)。
一緒に餃子も頼みました。これも優しい味わい。食べていて思い出したけど、そういえば以前、この近所のワインバーで飲んでいたとき、ママさんがここの餃子を出前で取ってくれたことがありました。長く地元に密着している店はいいですね。
文:植野広生