dancyu本誌から
dancyu11月号「おいしい発酵」絶賛発売中!

dancyu11月号「おいしい発酵」絶賛発売中!

クセになるにおい、骨太な旨味、強烈な酸味。口にすれば、恍惚となるか、変顔になるか。それは食べてみなくちゃわかりません! 今月号のdancyuは満を持しての発酵特集。時にねっとり、時にとろんと柔らかく、食いしん坊を虜にする、発酵の世界へようこそ。

くさいはうまい。

表紙
p14+15
p48
p93
dancyu2019年11月号
子供の頃、食卓には必ず漬物がありました。台所のぬか床から、祖母や母がきゅうりやなすや大根を取り出すのも日常の風景。なかでも、たくあんやきゅうりの漬物が好きで、ご飯のおかずにぽりぽり食べていました。友達の親戚の家に泊まりに行って、「このたくあん美味しい!」と言って、もらってきたこともありました(今考えると変な子供ですね……)。
しかし、不思議だったのは、ぬか床はとても臭くて、漬物として皿に盛られても独特のにおいが残っているのに、美味しい。ぬか漬けにすると、乳酸発酵して野菜の糖分が分解され、旨味が生じる、などということを一切知らない小学生は、疑問を感じつつも、そんなものかと思ってただ食べていたのです。とはいえ、親が食べていた塩辛などはやっぱりちょっと臭くて嫌でした。
大人になると、嫌がるどころか、敢えて臭いものを好んで食べるようになりました。塩辛、くさや、鮒ずし、キムチ、チーズ(特に熟してトロトロになったエポワースなどが好き)……どれも酒が進んでしまいます。発酵食品は健康にいいと言われますが、でもそれよりも、やっぱり旨いから食べてしまうのですよ、臭いものは。

dancyu編集長 植野広生
dancyu2019年11月号
dancyu2019年11月号
第一特集:おいしい発酵
第二特集:町の焼鳥

A4変型判(188頁)
2019年10月04日発売/ 900円(税込)

写真:邑口京一郎