「四川家庭料理 中洞」の十皿
カリカリ大根 特製辛味醤油漬け|「四川家庭料理 中洞」の八皿目

カリカリ大根 特製辛味醤油漬け|「四川家庭料理 中洞」の八皿目

八皿目はカリカリ大根特製辛味醤油漬け。特製たれに漬けたご飯が進むおかずであり、箸休めの一品である。そして、漬物ときたらお茶。「中洞」には、ほっとくつろげる中国茶各種も揃っています。

中国赤酢のさっぱり感がクセになる!

「四川家庭料理 中洞」には、料理と料理の間をつなぐ小菜はいくつもある。
ピーナッツ山椒、ザーサイ胡麻油和え、叩ききゅうりガーリック香味オイル和え。
それでも、店主の中洞新司(なかほらしんじ)さんが自身の料理の十皿に挙げるうちのひとつが、「カリカリ大根 特製辛味醤油漬け」である。

漬物
カリカリ大根 特製辛味醤油漬け540円。いたって素朴な風貌とは裏腹に店主の思い入れが深い一品。

そのルックスは、はっきり言って拍子抜けするほど地味である。
中洞さんは、思い入れはいずこに?

「後を引く、クセになる漬物なんですよ。四川ではどちらかというと、食堂よりはレストランで出されます。店それぞれの特製たれに漬けてあって、これがご飯が進んじゃって!僕は最初に注文しておいて、料理の合間に白いご飯と一緒に食べるのが好きです。現地のものは甘い味付けが多いので、僕は中国の赤酢を使ってさっぱりさせています」

大根は皮ごと用いる。特製たれには、黒酢よりも主張がなく、まろやかな酸味の中国産の赤酢(紅酢)を使用。醤油もコクのある中国産を用いている。
品書きに「カリカリ」と謳っているとおり、皮ごと漬けた歯ごたえのある食感がいい。

大根の皮に塩をすりこみ、味をしみこませる
あえて大根の皮に塩をすりこみ、“脱水”して味をしみこませてカリカリ食感に。塩気と辛味、酢のさっぱり味でご飯が進む!

中国茶もセットで、ほっとしたい。

「中洞」は、中国茶も揃えている。
中洞さんが愛飲しているのは中国は四川省産のそば茶で、ほかにこんなラインナップがある。

茶漉し付きの茶器
茶漉し付きの茶器も多彩に揃えています。中国茶540円~。

王道の「凍頂烏龍茶(トウチョウウーロンチャ)」は、飲みやすくて辛い料理のお供になる。
「苦莽茶(クーチャオチャ)」は、中洞さんが四川省で買い付けてきた香ばしくて後味のよい茶。高血圧、高コレステロール、高血糖の改善によいとも。
「普洱茶(プーアルチャ)」は、油を分解し消化促進、整腸作用などが期待でき、「茉莉花茶(モーリーホヮチャ)」は、ストレス緩和、リラックス効果、脂肪燃焼の効果があるのだとか。
ほかに、甘くフルーティな「鳳凰単叢(ホウオウタンソウ)」もある。

いずれも湯を差せば、3煎ほど愉しめる。
四川の刺激的な料理の合間には、こんな安らぎの味も必要なのだ。


――2019年7月28日につづく。

店舗情報店舗情報

四川家庭料理 中洞
  • 【住所】東京都文京区千石4‐43‐5
  • 【電話番号】03‐5981‐9494
  • 【営業時間】11:00~14:00(L.O.)、17:00~21:00(L.O.)
  • 【定休日】月曜(祝日の場合は火曜)
  • 【アクセス】JR・都営地下鉄「巣鴨駅」より7分

文:沼由美子 写真:森本菜穂子

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沼 由美子(ライター・編集者)

横浜生まれ。バー巡りがライフワーク。とくに日本のバー文化の黎明期を支えてきた“おじいさんバーテンダー”にシビれる。醸造酒、蒸留酒も共に愛しており、フルーツブランデーに関しては東欧、フランス・アルザスの蒸留所を訪ねるほど惹かれている。最近は、まわれどまわれどその魅力が尽きることのない懐深き街、浅草を探訪する日々。