十割に二八、更科粉に一番粉……蕎麦にまつわる言葉は数多あるけれど、実はよくわからない。蕎麦の世界は深遠なり。「蕎麦のこと、もっと知りたいんです!」とラブコールを送るモデルのNOMAさんに、江戸ソバリエ協会理事長のほしひかるさんが、江戸蕎麦の基本を伝授します。
これまで300食以上を胃袋に収めてきた蕎麦好きのNOMAさんが、「蕎麦のこと、一から十まで教えてほしいんです」と、熱いラブコールを送ったお相手は、蕎麦愛にあふれる江戸ソバリエ協会理事長のほしひかるさん。
シリーズ「TOKYO蕎麦めぐり。」は、ふたりが東京のさまざまな蕎麦店へと足を運び、蕎麦を嗜みながら、蕎麦の魅力をとことん探ります。
最初に訪れた店は、100年以上にわたって暖簾を受け継ぐ日本橋の「室町 砂場」です。
佐賀県佐賀市出身。豊かな知識とわかりやすい解説でビギナーからツウまで幅広く支持される、蕎麦界の博覧強記。偏愛蕎麦屋は両国「江戸蕎麦 ほそ川」。江戸の蕎麦の通人を表す民間の資格「江戸ソバリエ」認定委員長であり、深大寺そば学院講師や「武蔵国そば打ち名人戦」審査員も務めている。著書に『お蕎麦のレッスン』(高陵社書店)『江戸蕎麦めぐり』(幹書房)などがある。
佐賀県佐賀市出身。ファッション雑誌からラジオのパーソナリティまで幅広いジャンルで活躍中の人気モデル。生態学者である日本人の父とシシリア系アメリカ人の母を持ち、佐賀の大自然に囲まれて育つ。ライフワークは蕎麦と植物と宇宙。江戸蕎麦は原宿「玉笑」と両国「江戸蕎麦 ほそ川」がフェイバリット。蕎麦打ちにも興味津々。VOGUE JAPAN WEBで「モードな植物哲学。」を連載中。TOKYO FM「東京プラネタリー☆カフェ」でパーソナリティを務める。
シリーズ第1回目の舞台となる「室町 砂場」は、明治2(1869)年創業の江戸蕎麦の老舗。柳の下の粋な暖簾をくぐり、キリッとした雰囲気の店内へ。背筋がしゃっきり伸びる。土曜の昼下がり、蕎麦を楽しむ人たちで1階は早くも満席。2階の座敷へと案内された。
ーーつづく。
文:森本亮子 写真:本野克佳 ヘアスタイリング:河原里美