
もし、あのシェフが家で酒場を開いたら……という妄想からスタートしたWEB連載。3人目は、鎌倉「オステリア コマチーナ」の亀井良真シェフが登場。シンプルにそぎ落とし、素材の旨味を最大限に引き出すシェフが、「スーパーで手軽に買える食材で、和えたり軽く炒めたりするだけの爆速つまみ」を披露してくれた。8品目は、フランスはアルザスの郷土料理をアレンジした一品。春巻きの皮に爽やかなサワークリームをのせた「タルト・フランベ」です。

かめい・りょうま●兵庫県生まれ。高校時代をオーストラリアで過ごし、大学卒業後、パスタ好きが高じて27歳で料理人の道へ。鎌倉のイタリア料理店などで修業を重ね、2010年に自店『オステリア コマチーナ』をオープン。シンプル極まりない料理と自然な造りのワインを堪能できる鎌倉の名店をつくりあげた。休日は欠かさず海へ繰り出し、本格的に釣り三昧。著書に『daily PASTA book 鎌倉 オステリア コマチーナ』(KADOKAWA)。

| 春巻きの皮 | 5枚(※1) |
|---|---|
| サワークリーム | 60g |
| 赤玉ねぎ | 1/4個(薄切り) |
| グアンチャーレ | 20g(※2 5mm角に切る) |
| 塩 | 少々 |
※1 亀井さんは「富強食品」の丸い皮を愛用。
※2 豚のほほ肉の塩漬け。ベーコンやサラミでもOK。
春巻きの皮、5枚を重ねる。表面に、サワークリームを均等にぬり広げる。焼いている最中にクリームが流れ出ないよう、皮の縁1cm分は何も塗らずにおこう。

赤玉ねぎをのせ、塩少々をふり、グアンチャーレを散らす。


トースター(280℃)で5分ほど焼く。皮の縁がカリッと香ばしく焼けたら出来上がり。



フランスはアルザスの郷土料理、タルト・フランベ。土台となる極薄パン生地の代わりに亀井さんが目をつけたのが、春巻きの皮だ。5枚重ねの皮の縁がシャリシャリッとはかなく砕け、上にのせたサワークリームと赤玉ねぎはホットサラダのように爽快で、グアンチャーレの旨味がアクセントに。軽快な食べ心地で、ほどよく小腹も満たせる。合わせるならば、やっぱりアルザスのワイン。「少し甘めなタイプと相性抜群です」と亀井さん。


鎌倉は小町通りのちょっと奥まった場所にあるイタリア料理店。食堂を意味する“オステリア”を銘打っているとおり、カジュアルな雰囲気が漂う。黒板には50近くのメニューが並び、どの料理も見た目は素っ気ないほどにシンプル。削ぎ落したからこそ生まれる滋味深さがどの皿にも溢れていて、何を食べても「旨っ!」と感動するし、何度食べても飽きることがない。夜はもちろん、昼もアラカルトOK。自然な造りのワインをとことん堪能しながら楽しめる素晴らしき店だ。
文:安井洋子 撮影:長野陽一