北イタリアの家庭料理
コルティナ・ダンペッツォ地方の屋台や家庭で親しまれるスイーツ。ふかふかの「りんごのフリッテッレ」をオリンピック観戦おやつに!

コルティナ・ダンペッツォ地方の屋台や家庭で親しまれるスイーツ。ふかふかの「りんごのフリッテッレ」をオリンピック観戦おやつに!

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックもいよいよ佳境。今回の舞台であるコルティナ・ダンペッツォ地方を中心とした北イタリアの、素朴でしみじみとおいしい郷土料理をご紹介してきた連載も最終回。ラストは、カーニバルやマーケットの屋台、また家庭でもよくつくられる、りんごドーナツ。揚げたてを食べながら、五輪を最後まで応援しよう。

ふんわりとした生地に包まれた、輪切りりんごのドーナツ

コルティナ・ダンペッツォで親しまれている料理の最後は、りんごを使った菓子。この地域では、薄くのばした生地に、りんごやレーズンなどを巻き込んで焼いたシュトゥルーデルもよく食べられるが、家庭やマーケットの屋台などでもっと気軽につくられているのが、りんごのフリッテッレだ。
「特にカーニバルの時季に食べるお菓子は揚げ菓子が多く、これもそんな一つなんですよ」と、山内千夏さんが話すように、りんごに生地をからめて油で揚げた、ボリューミーなお菓子。衣が薄いと天ぷらのようになってしまうので、ベーキングパウダー入りの生地でドーナツのようにふっくらと揚げるのがポイントだ。揚げ上がりにうっすらと見える、りんごの皮の赤いラインもかわいらしい。りんごをよく食べる地域ということもあり、ほかのフルーツでつくることはなく、りんごのためのお菓子なんだそう。
「生のまま食べるには、ちょっと時間が経ってしまったから揚げてしまおう、という感じで気楽につくるものです」。
今回は紅玉を使ったが、どんなりんごでもOK。キッチンや冷蔵庫に、食べそびれて眠っているりんごで、観戦おやつをつくってみては。

りんごのフリッテッレのつくり方

材料材料 (つくりやすい分量)

りんご1個
レモン1/2個
00粉80g
ベーキングパウダー小さじ1/2
1個
牛乳70ml
グラニュー糖大さじ1/2
溶かしバター大さじ1/2
揚げ油適量(ひまわり油など)
粉糖適量
00粉
00粉
日本の小麦粉はたんぱく質の含有量(グルテン量)によって薄力、中力、強力粉と分類されているが、イタリアでは精製度の違いで00、0、1、2と分けられ、数字が大きいほど外皮が多く含まれて全粒粉に近くなる。00(ゼロゼロ)粉は最も精製度が高く、粒子は小さくてサラサラときめ細かい。柔らかくなめらかな生地になるのが特徴だ。いわば小麦粉の大吟醸。生パスタやピッツァ生地によく使われる。製菓材料店やイタリア食材店で入手可能。またはフランスパン用の準強力粉で代用できる。

1生地をつくる

ボウルに卵とグラニュー糖を入れてよく混ぜ、牛乳を加えてさらに混ぜる。薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れながら混ぜ、そのまま30分休ませる。

生地をつくる

2りんごを切る

りんごは丸のまま芯をくり抜いて厚さ5mmの輪切りにする。くり抜き器がない場合は、輪切りにしてからナイフの先で芯をぐるりと切り取るとよい。

3りんごにレモンを塗る

りんごの断面に、レモンの断面を塗りつける。こうすると、少しさっぱりとした味わいになるとともに、色留めにもなる。

りんごにレモンを塗る

4生地を仕上げる

1の生地に溶かしバターを加えて混ぜる。持ち上げると、とろりと落ちてスジが残るくらいの柔らかさになる。

生地を仕上げる
生地を仕上げる

5りんごに生地をからめる

4の生地に3のりんごを入れて、表面にまんべんなくからませる。

りんごに生地をからめる

6揚げる

170~180℃に熱した揚げ油で、5を両面がおいしそうに色づくまで揚げる。油をきって器に盛り、上から粉糖を振る。

揚げる

召し上がれ!

ふっくら揚がった生地は甘さ控えめ。かじりつけば、少しだけシャクッとした食感を残したりんごの甘酸っぱい風味が、口いっぱいに広がる。揚げたての熱々をどうぞ。

教える人

山内千夏

山内千夏

やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤菜々子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。

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