北イタリアの家庭料理
2026年冬季五輪の舞台コルティナのグルメ。地元で愛され続ける、熱々の「ポレンタ」&「グーラッシュ」で温まろう

2026年冬季五輪の舞台コルティナのグルメ。地元で愛され続ける、熱々の「ポレンタ」&「グーラッシュ」で温まろう

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピックが開催!今回の舞台は、コルティナ・ダンペッツオ地方を中心とした北イタリア。イタリアの北部らしい、素朴でしみじみとおいしい郷土料理がたくさんある場所だ。この地方の料理をつくって食べながら五輪観戦はいかが?今回は、寒い時季に温まるポレンタと牛肉を使ったグーラッシュスープのつくり方。

イタリアだけれど、パスタだけじゃない

小麦の生産が少ない山岳地帯のコルティナ・ダンペッツォでは、とうもろこし粉を練ってつくるポレンタもよく食べられている。
「銅鍋で長時間かき混ぜるので、自動でかき混ぜ続けてくれる専用鍋もあるくらいなんですよ。ぜひ厚手の鍋でチャレンジしてください」と山内千夏さん。

今回のレシピも、2人分の少量だが40分火にかける。とうもろこしを乾燥させて挽いただけなので、時間をかけて中心まで火を通さないと消化不良を起こしてしまうのだとか。ちょっと腕はだるくなるが、丁寧に加熱したポレンタの香ばしさやほくほくの味わいは格別。そのままでおいしいが、今回はグーラッシュを添えた。現地で親しまれるのは、お肉がごろんとした煮込みではなく、素朴なスープのスタイル。まだまだ寒さが厳しい時季、熱々のポレンタとグーラッシュで体の芯から温まろう。

ポレンタのつくり方

材料材料 (2~3人分)

ポレンタ粉100g
400ml
4g
牛乳30ml
バター30g
材料
とうもろこしを乾燥させて挽いたものがポレンタ粉。地域により、とうもろこしの種類や挽き方も変わり、北イタリアでよく使われるのは、ブラマータという粗挽きタイプ。料理のほか、お菓子にも使われる。輸入食材を扱う店やネットで購入できる。

1湯を沸かす

厚手で大きめの鍋に水を入れて沸かす。

2鍋に塩と牛乳を加える

1に塩と牛乳を加える。

鍋に塩と牛乳を加える

3ポレンタ粉を入れる

ポレンタ粉を上からさらさらと振り入れる。現地では、“雨を降らすように入れろ”と言われるそうだ。

ポレンタ粉を入れる

4かき混ぜながら煮る

木べらか泡立て器でかき混ぜながら中火にかける。はじめはよくはねるので注意を。とろみがついて重たい感触になってきたら弱火にし、蓋を少しずらしてかぶせ、木べらでときどきかき混ぜながら40分煮る。写真は10分程度たった状態。

かき混ぜながら煮る

5ポレンタを混ぜ続ける

30分後の状態。混ぜたときにスジが残るくらいになる。鍋底にこびりついたお焦げは無理にはがして混ぜないこと。鍋が冷めてからはがして、お煎餅のように食べるのもお楽しみの一つ。

ポレンタを混ぜ続ける

6香りが出たら火を止める

40分後。5と見た目はほとんど変わらないが、全体がもろっとして、粉の中心までしっかりと火が入り、とうもろこしのいい香りがしている。木べらで持ち上げても、ポレンタが落ちてこないくらいの粘度になったら火からおろす。

香りが出たら火を止める

7バターを混ぜる

6に手早くバターを加えて混ぜ込む。チーズを混ぜ込む場合もここで。器に盛り、熱いうちに食卓へ。

完成

グーラッシュスープのつくり方

材料材料 (2人分)

牛赤身肉(肩、ももなど)250g
じゃがいも2個
玉ねぎ1/2個
パプリカパウダー大さじ1
赤ワイン150ml
トマトペースト大さじ1
ローリエ1枚
ブロード適量(または水)
小麦粉適量
オリーブオイル大さじ2
適量
胡椒適量

1材料を準備する

牛肉は2cm角に切り、塩、胡椒をして小麦粉を薄くはたく。じゃがいもは2cm角に、玉ねぎはみじん切りにする。

2玉ねぎを炒める

鍋にオリーブオイルと玉ねぎを入れて中火にかけ、玉ねぎが透き通るまで炒める。

3牛肉を加える

牛肉を加えてさらに炒め、表面が白っぽく変わったらパプリカパウダーを振り入れて混ぜ、赤ワインを加えてアルコールをとばす。

4煮る

トマトペースト、ローリエを加え、ブロードをひたひたに注ぐ。ひと煮立ちさせたら弱火にし、蓋をして40分煮込む。

5じゃがいもを加えて味をととのえる

じゃがいもを加えてさらに20分煮込み、塩、胡椒で味を調える。時間があればこのまま一晩おくと、パプリカの粉っぽさが抜けて味がなじむ。

召し上がれ!

完成
ぽってりと炊き上げたポレンタからは、とうもろこしの甘い香り。バター風味の優しい味わいは、そのままでも十分おいしいが、主役として楽しむなら、セミハードチーズをたっぷりと混ぜ込むのもお薦め。グーラッシュスープや、スペックやサルシッチャなどを添えればボリューム満点の一皿に。

教える人

山内千夏

山内千夏

やまのうち・ちなつ●料理家。製菓メーカーで商品企画に携わった後、イタリアへ料理留学。以降、定期的に現地で家庭料理を学んでいる。湘南の自宅で料理教室を主宰。著書に『トルタ・サラータ イタリア式塩味のタルト』(文化出版局)など。

文:鹿野真砂美 撮影:伊藤菜々子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。