
唐辛子の辛味も爽やかに効いた、きりっとした甘酢漬けです。荻野恭子さんの目からウロコのおせち論と毎年挑戦したくなる、気楽なおせちづくりを紹介します。
甘酢味は、おせちの箸休めにぴったりです。
立て塩(塩水)に漬けてしんなりさせてから甘酢に漬ける方法もありますが、隠し包丁を入れて、長めに漬けておけば、しっかり味が入ります。


調味料が少量で足りるのも、ポリ袋調理のよさです。
空気を抜いて密封すれば、調味液が素材全体に効率よくからみ、味がよくなじむ上に、コンパクト。そのまま冷蔵庫に入れられますから、ポリ袋での漬け置きは理にかなっています。
甘酢漬けのほか、肉の焼き漬けや、魚の下味つけなど汎用性も高いので、普段のおかずにも活用してください。

| かぶ | 2個 |
|---|---|
| 昆布 | 1~2枚(5cm角) |
| 赤唐辛子 | 1本 |
| ★ 【甘酢】 | |
| ・ 酢 | 大さじ3 |
| ・ 上白糖 | 大さじ2 |
| ・ 塩 | 小さじ1/2 |
| ・ 水 | 1/4カップ |
かぶは茎の根元を切り落とし、断面を下にして置く。下から5mmほどを残して3~4mm間隔で切り込みを入れ、90度向きを変えて同様に切り込みを入れ、格子状にする。

味がしみて、切り分けやすくなるよう、底に十文字の切り込みを入れる。

ポリ袋にかぶ、唐辛子、昆布、甘酢の材料を入れ、上白糖をよく溶かし、全体になじませる。空気を抜いて袋の口を閉じ、半日(7時間くらい)置く。



和食、フランス料理、中国料理をはじめ、世界65カ国の家庭料理の知恵を備えた料理研究家。アジア諸国で目にしたポリ袋の活用方法に着想を得て、早くからポリ袋調理を提唱。著書に『ポリ袋漬けのすすめ』(文化出版局)ほか多数。
この記事はdancyu2021年1月号に掲載したものです。

文:岡村理恵 写真:工藤睦子