
漬け汁は、フライパンでとろりとするまで煮詰めれば、極上のソースに!お正月のメインディッシュがお手軽に用意できます。荻野恭子さんの目からウロコのおせち論と毎年挑戦したくなる、気楽なおせちづくりを紹介します。
鴨の脂をこんがり焼いて、旨味と香りを楽しみます。
懐石では、焼いた後に湯をかけて脂抜きをしたりしますが、家庭ならしっかり脂をきれば十分です。


調味料が少量で足りるのも、ポリ袋調理のよさです。
空気を抜いて密封すれば、調味液が素材全体に効率よくからみ、味がよくなじむ上に、コンパクト。そのまま冷蔵庫に入れられますから、ポリ袋での漬け置きは理にかなっています。
甘酢漬けのほか、肉の焼き漬けや、魚の下味つけなど汎用性も高いので、普段のおかずにも活用してください。

| 鴨肉 | 300g(または鶏もも肉) |
|---|---|
| 塩 | 少々 |
| 胡椒 | 少々 |
| サラダ油 | 少々 |
| A | |
| ・ マーマレード | 大さじ1 |
| ・ 醤油 | 大さじ1 |
| ・ 酒 | 大さじ1 |
| ・ 塩 | 少々 |
鴨肉は常温に戻して塩、胡椒をふり、皮に7~8mm間隔で格子状の切り込みを入れる。

フライパンにサラダ油を入れて中火で熱し、皮目を下にして焼く。肉の周囲が白っぽくなるまで七割方火を通し、他の面も焼く。

ポリ袋に肉を入れ、Aの材料を加える。袋の上からもみ込んでなじませ、空気を抜いて袋の口を閉じて、冷蔵庫で半日(7時間くらい)置く。



和食、フランス料理、中国料理をはじめ、世界65カ国の家庭料理の知恵を備えた料理研究家。アジア諸国で目にしたポリ袋の活用方法に着想を得て、早くからポリ袋調理を提唱。著書に『ポリ袋漬けのすすめ』(文化出版局)ほか多数。
この記事はdancyu2021年1月号に掲載したものです。

文:岡村理恵 写真:工藤睦子