大晦日からでも間に合う!「ポリ袋おせち」
【爆速おせちレシピ】椎茸と鶏の旨味でだしいらず!「煮しめ」

【爆速おせちレシピ】椎茸と鶏の旨味でだしいらず!「煮しめ」

おせちの華と言える煮しめです。飾り切りはちょっと大変ですが、つくるとぐっとおせちの質が上がります。荻野恭子さんの目からウロコのおせち論と毎年挑戦したくなる、気楽なおせちづくりを紹介します。

「煮しめ」のつくり方

煮しめは、おせちの華。野菜を型抜きしたり、飾り切りにするだけで、普段と違った華やかな仕上がりになります。できる範囲でかまいませんから、お正月らしさを楽しみましょう。
関東は里芋、関西は海老芋を使いますが、使い勝手がよく味もよい、山芋をお薦めします。

煮しめ

これが真骨頂!「ポリ袋で蒸す」

ポリ袋

直火でなければ、ポリ袋で加熱調理もできます。高温になりすぎないように、蒸気で蒸せばいいのです。
家にある一番大きな蓋付き鍋に、穴の開いたプレートを敷けば蒸し器になって、一つの鍋で複数のおせちが同時につくれます。
鍋の湯が沸騰して蒸気が上がったら弱火にし、その後はずっと弱火で。蒸し時間の長いものから鍋に入れ(鍋肌に当たらないように注意)、時折、湯を足しながら、時間がきたら取り出す。
煮汁が煮詰まる心配がないので、少量の煮物も上手につくれますよ。

ポリ袋
ポリ袋が破れることもあるので、煮汁が心配なものは袋を二重にすると安心。膨らむの で、できるだけ空気を抜いて口を閉じます。

材料材料 (2人分)

鶏もも肉150g
こんにゃく100g
干し椎茸小4枚
にんじん50g
れんこん70g
山芋100g(自然薯)
A
・ 椎茸の戻し汁3/4カップ
・ 酒大さじ2
・ 味醂大さじ2
・ 砂糖大さじ2
・ 醤油大さじ1
・ 塩小さじ1
絹さや6~9枚(仕上げ用)

1材料を飾り切りする

干し椎茸は1カップほどの水で戻し、笠に放射状の切り込みを入れる。れんこんは厚さ1cmの輪切りにし、花形になるように切り込みを入れ、水にさらす。山芋は皮をむいて長さ4cmほどに切り、縦半分に切る。にんじんは厚さ7mmの輪切りにして花型で抜く。余力があれば花びらの間から中心に向かって切り込みを入れ、ねじり梅に整える。

材料を飾り切りする

2こんにゃくをカットする

こんにゃくは厚さ5~6mmに切り、中央に切り込みを入れ、片端を切り込みに通して手綱形にする。塩と砂糖ひとつまみ(分量外)をふって軽くもむ。

こんにゃくをカットする

3鶏肉に塩をする

鶏肉は一口大に切って、塩ひとつまみ(分量外)をふり、軽くもみ込む。

鶏肉に塩をする

4蒸す

ポリ袋に1~3とAの材料を入れる。味の出る鶏肉、椎茸などは下に、くずれやすい山芋やれんこんは最後に入れる。袋をよく揺すって全体をなじませ、空気を抜いて口を閉じる。袋を二重にして50分蒸す。

蒸す

5仕上げ

絹さやは、芽の部分は残して筋を取る(正月に「芽を摘まない」ように)。塩少々(分量外)をまぶしてさっとゆで、煮しめを盛りつけるときに添える。

仕上げ
完成
いろいろな素材の味が楽しめるのが煮しめのよさ。特に山芋の食感と味なじみのよさに驚きます。干し椎茸の戻し汁と鶏肉を効果的に使えば、だし要らずです。

教える人

荻野恭子 料理研究家

荻野恭子 料理研究家

和食、フランス料理、中国料理をはじめ、世界65カ国の家庭料理の知恵を備えた料理研究家。アジア諸国で目にしたポリ袋の活用方法に着想を得て、早くからポリ袋調理を提唱。著書に『ポリ袋漬けのすすめ』(文化出版局)ほか多数。

この記事はdancyu2021年1月号に掲載したものです。

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文:岡村理恵 写真:工藤睦子

岡村 理恵

岡村 理恵 (ライター)

群馬県生まれ。出版社勤務を経て独立し、食を中心としたライター・編集者に。料理はもちろん、畑や漁港からスーパーなど食に関わる現場、食卓をつくっている人々に興味あり。