
肉フレンチの帝王、銀座『マルディ グラ』で看板メニューとして君臨し続ける「トスカーナフライドポテト」が今年さらなるアップデートを遂げた。ハーブ増&ガリサク食感を強めた最新版レシピがコレだ!

1967年兵庫県生まれ。辻調理師専門学校から同校フランス校を経て帰国後「ひらまつ」グループへ。在職中に仏二つ星「ヴィヴァロワ」にて修業。再び帰国後「グレープ・ガンボ」を経て、2001年「マルディ グラ」開店。フレンチを土台に自由闊達に料理の裾野を広げる。
| じゃがいも | 大2個(男爵) |
|---|---|
| 強力粉 | 225g |
| にんにく | 4片(皮付きのまま) |
| A | |
| ・ ローズマリー | 5枝 |
| ・ セージ | 1枝 |
| ・ オレガノ | 5枝 |
| ・ マジョラム | 3枝 |
| ・ タイム | 3枝 |
| ・ レモンタイム | 3枝 |
| ・ レモンバーベナ | 1枝 |
| ・ レモンバジル | 1枝 |
| ピーナッツオイル | 460mL |
| 塩 | 適量 |
| 黒胡椒 | 適量 |
※ピーナッツオイルはユウキ食品のものを使用。amazonなどで購入できる。
じゃがいもの皮をむき、1cm角のスティック状に切る。

切ったじゃがいもを水に10分ほどさらし、強力粉150gをまぶす。水にさらすのは芋に水を吸わせて粉をしっかり纏わせるため。表面のでんぷんを落とすのが目的ではない。


前バージョンは粉づけした後、水を軽くかけるだけだったが、最新版は霧吹きを使い、全体に満遍なく水(材料外)をかける。追い強力粉を75g、全体にまぶす。写真のように、ところどころダマがある状態がベスト。



中華鍋に切り込みを入れたにんにく、(A)のハーブ、粉を纏わせたじゃがいもの順に入れる。にんにくの切り込みは破裂防止のため。最新版ではハーブにレモンタイム、レモンバーベナ、レモンバジルが新たに加わった。「旬で変える」という自在なハーブ使い。



油を全体に回すように注ぎ入れる。油は加熱に強いピーナッツオイル。ナッツ香の芳しい揚げ上がりに。

油を入れてから強火にかける。全体が沸いてきたら中火に落とす(写真は5分経った状態)。衣が固まるまでは触らない。大きなスプーンなどを使って鍋底のにんにくとハーブと上のじゃがいもを入れ替えるように返す。(和知さんは油ごと豪快に煽るが、熟練の技が必要)


ゆさゆさと鍋を揺らしながら、全体を均一に揚げていく。10分経つとにんにくに火が入る。ここで再度、色をつけるために強火に。鍋底から箸やスプーンなどで混ぜる。泡が大きいうちはじゃがいもに火が入り切っていない(内部の水分が抜けていない証)。

泡が小さくなってきたら、中火に落とす(目安はスタートから13分)。2分間、中の水分を抜いた後、再び強火にして表面が色づくまで揚げる。カリカリから、ガリッガリに仕上げる工程。

ザルで油をきり、塩、胡椒をする。煽ることで揚がったハーブの葉が全体に散る。じゃがいもから軽快なカサカサ音がすればパーフェクト。

普通に皿に盛っては気分がアガらない。クシャッと丸めてニュアンスをつけたクラフト紙に山をつくるように盛る。

さらなる進化を遂げたトスカーナフライドポテト2026。立ち上るハーブの香りはより芳ばしく、ガリッと強く、サクッと軽やかな心地よい食感へ。


※通常「マルディ グラ」ではトスカーナフライドポテトを提供していない。
常時食べられるのは「BAR オーパ 門前仲町店」(TEL:03‐5245‐3539)。
「ハーブポテトフライ」というメニュー名で出している。
文:松浦達也 撮影:合田昌弘