
ゆで卵で手軽につくれるのに、伊達巻きにも負けない、見た目も華やかな一品です。荻野恭子さんの目からウロコのおせち論と毎年挑戦したくなる、気楽なおせちづくりを紹介します。
卵の黄色は金銀財宝の象徴。ゆで卵で手軽につくれるのに、伊達巻きにも負けない、見た目も華やかな一品をご紹介します。
正式なやり方では、卵の白身と黄身を分けて刻み、混ぜて巻き簀で形を整えて……と手がかかりますが、ポリ袋ならつぶしてクルクルまとめるだけ!


直火でなければ、ポリ袋で加熱調理もできます。高温になりすぎないように、蒸気で蒸せばいいのです。
家にある一番大きな蓋付き鍋に、穴の開いたプレートを敷けば蒸し器になって、一つの鍋で複数のおせちが同時につくれます。
鍋の湯が沸騰して蒸気が上がったら弱火にし、その後はずっと弱火で。蒸し時間の長いものから鍋に入れ(鍋肌に当たらないように注意)、時折、湯を足しながら、時間がきたら取り出す。
煮汁が煮詰まる心配がないので、少量の煮物も上手につくれますよ。

| 固ゆで卵 | 3個 |
|---|---|
| きび砂糖 | 大さじ1 |
| 塩 | 小さじ1/3 |
| 片栗粉 | 小さじ1 |
ポリ袋に殻をむいたゆで卵を入れ、袋の上からもんでつぶす。

砂糖、塩、片栗粉を加え、ポリ袋を両手で挟んで、すり合わせるようにしてよく混ぜる。

卵を袋の底に集めて、直径3~4cmの円筒状に整える。

端の部分が余ったら折り畳み、手前からくるくると巻く。ポリ袋を二重にして口を閉じ、蒸し器に入れて、弱火で5分蒸す。



和食、フランス料理、中国料理をはじめ、世界65カ国の家庭料理の知恵を備えた料理研究家。アジア諸国で目にしたポリ袋の活用方法に着想を得て、早くからポリ袋調理を提唱。著書に『ポリ袋漬けのすすめ』(文化出版局)ほか多数。
この記事はdancyu2021年1月号に掲載したものです。

文:岡村理恵 写真:工藤睦子