
連載のトップバッターは、ポルトガル料理店「クリスチアノ」をはじめ5店舗の飲食店を運営するほか、食の業界で縦横無尽に活躍する、佐藤幸二さん。6品目は、万能な自家製アチャールの素とオイルサーディンの組み合わせです!
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佐藤さんの晩酌の定番は、ハイボールとオイルサーディンのコンビだ。オイルサーディン缶を切らしたことがないというほど大好物という。パカンと缶を開けてそのまま食べることもあるが、佐藤さんはたいていトースターで温める。
「そのほうが缶詰特有の蒸れたような臭いが抜けて、サーディンのおいしさが戻ってくるんです」
一度の晩酌で1缶たいらげるが、途中で味に飽きがきてしまうことも。そこで考えついたのが、自家製アチャールの素をのせた「サーディンアチャール」だ。
「5年ほど前にインド料理店で食べたアチャールのおいしさに衝撃を受けたんです。どんなスパイスを使っているのか、調味料は何を使っているのか全集中して分析しながら味わって。そうして自分なりに編み出したのが、今回紹介するアチャールの素です」
アチャールとはインドやネパールなど、おもに南アジアで食べられるスパイシーな漬け物のこと。長期間おいて発酵させたものもあれば、アチャールの素でさっと和えて浅漬け感覚で食べるものなど、さまざまなタイプがある。
アチャールの素を表面にぬり、オーブントースターで焼き上げた「サーディンアチャール」は、塩味、辛味、香味野菜やスパイスの香り、仕上げに搾ったレモンの酸味が複雑にからみ合い、飽きるどころか夢中で食べきってしまう。イワシの旨味も相まって酒の進みが加速する。
佐藤さんのアチャールの素は、和洋の辛子を使って味に深みを出したオリジナルスタイル。いつでも食べられるように多めに仕込んで冷蔵庫に常備している(3週間から1ヶ月保存可能)。今回のレシピも少し余る分量なので、オイルサーディン以外の使い方も試してほしい、と佐藤さん。
「玉ねぎやきゅうりなど生野菜をさっと和えてアチャールをつくるのはもちろん、ゆで野菜のディップにしても旨い。焼いた肉に添えれば、一気にインド風の料理になるよね」
イチ押しはマグロの赤身刺し。
「安い刺し身にアチャールの素をかけるだけ。これね、旨すぎてひっくり返りますよ(笑)。缶詰から話がズレちゃったけど、ぜひトライしてほしいっす!」
いやあ、佐藤さん、さすがです!
オイルサーディン缶 | 1缶(105g) |
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A | |
・ 米油 | 40~50g(オイルサーディンの油でも可) |
・ しょうがのせん切り | 1片分 |
・ おろしにんにく | 1片分 |
・ 練り辛子 | 小さじ1 |
・ 粒マスタード | 小さじ2 |
・ ガラムマサラ | 小さじ1 |
・ パプリカパウダー | 小さじ1/4 |
・ 塩 | 少々 |
・ カイエンペッパー | 少々(好みで) |
レモン | 適量 |
Aの材料を耐熱容器に入れてラップをふんわりとかけ、電子レンジ(600W)で2分加熱し、よく混ぜる。
缶に入ったオイルサーディンにアチャールの素50gをのせて平らに広げる。オーブントースターでこんがり色づくまで4分ほど焼き、レモンを搾る。
1974年埼玉県生まれ。国内外のレストランを経て独立。ポルトガル料理店「クリスチアノ」をはじめ、「お惣菜と煎餅もんじゃさとう」「ポークビンダルー食べる副大統領」など5店舗の飲食店や、缶詰やレトルト食品などを販売するECサイト「さとう商店」を運営。趣味は家族でキャンプすること。晩酌酒はジムビームのハイボール、または黒霧島ロックの二択!
文:佐々木香織 撮影:伊藤菜々子