大原千鶴さんの「今宵のあて」
香ばしい牛肉とねぎだれがからむきしめんが美味!つまみにも締めにもなる「牛きしめん」

香ばしい牛肉とねぎだれがからむきしめんが美味!つまみにも締めにもなる「牛きしめん」

たくさんはいらないけど、ちょっとあるとうれしい、焼肉と麺を一皿にしたおつまみ。ねぎだれで、麺が奥深い旨味をまとい、甘辛味の焼肉とともにお酒を呼びます。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、おつまみにもなる「牛きしめん」のつくり方とそのコツを教えていただきました。

濃厚な肉とねぎだれがしみた麺を引きたてる清涼なジンソーダ

甘辛の焼肉と、ねぎだれで炒めたきしめんを盛り合わせた一品です。

牛肉は調味料をからめてなじませるだけでよく、焼くときに何度も上下を返さないことがポイントです。肉の厚さによって微妙に異なりますが、焼き時間の目安は両面で1~2分。

きしめんは牛肉を焼いたフライパンをそのまま使って炒め、油を拭いたりなどしなくて構いません。麺はお好みのものでいいですが、私は幅広麺が好きなのできしめんにしました。ねぎだれがよくしみ、ちょっとずつつまむと主食というよりおつまみの気分になるんです。

ねぎや胡麻、豆板醤が奥深い旨味と香りを醸し出すねぎだれは、パンチが効いた万能だれ。肉や魚にかけてもよく、旨味の素として重宝するので、多めにつくって常備しておくことをお薦めします。

お酒は濃厚な焼肉や甘辛のねぎだれの味を絶ってくれるジンソーダ。レモンをぎゅっと搾った爽やかな飲み口で、後味をさっぱりとしてくれます。

牛きしめんのつくり方

材料材料 (2人分)

ゆできしめん1玉(180g)
★ ねぎだれ(つくりやすい分量・今回は半量だけ使用)
・ 濃口醤油大さじ1
・ 煎り胡麻大さじ1(白)
・ 青ねぎ大さじ1(小口切り)
・ 砂糖大さじ1/2
・ 胡麻油大さじ1/2
・ 豆板醤小さじ1/2
・ にんにく少々(すりおろす)
牛肉100g(焼肉用)
A
・ 砂糖小さじ2
・ 濃口醤油小さじ2
・ 胡麻油小さじ1
・ にんにく小さじ1/4(すりおろす)
青じそ1~2枚(細切り)

1ねぎだれをつくる

ねぎだれの材料をよく混ぜ合わせる。

2牛肉の下準備

牛肉は大きければ食べやすく切り、Aを加えて手でもんでなじませる。

牛肉の下準備

3きしめんの下準備

きしめんを耐熱皿にのせ、ふんわりとラップをして600Wの電子レンジに1分かけて温める。

4牛肉を焼く

フッ素樹脂加工のフライパンを中火にかけ、②を並べ入れる。片面にこんがりと焦げ目がつくまで焼けたら上下を返し、もう片面もカリッと焼いて取り出す。

5きしめんを炒める

④のフライパンに③と水大さじ1を入れて炒める。きしめんがほぐれたら、①の半量を加えて炒め、全体になじんだら火を止める。

6仕上げる

④と⑤を盛り合わせ、青じそをのせる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。