大原千鶴さんの「今宵のあて」
外はカリッと、中はホクホクの皮付き「長芋の花椒唐揚げ」

外はカリッと、中はホクホクの皮付き「長芋の花椒唐揚げ」

晩秋と春が旬の長芋。とろとろネバネバの生をいただくことが多いですが、揚げると違った味わいになります。和食のイメージがありますが、パンチのある味つけで最強おつまみに一変!お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

刺激的な味わいを、柑橘を効かせたジンソーダでさらにすっきり

長芋は生のまま、焼く、煮るなど、いろいろな調理法がありますが、私は揚げるのが一番好きなんです。皮付きで揚げると、外はカリッと中はホクホクのポテトフライになり、じゃがいもとは別の美味しさがあります。

包丁を入れると自然に裂けるので、切り方は成り行きに任せた乱切りです。これに下味をつけるのですが、長く置くと長芋から水分が多く出てくるので、その場合は出てきた水分を捨ててから粉をつけるようにします。

ポイントは、片栗粉を2回に分けてまぶすこと。1回目はまぶした片栗粉をんで糊状にし、2回目にまぶす片栗粉が真の衣になります。

油に入れたら最初はさわらず、表面が固まってきたら箸で混ぜながら揚げます。
にんにくの風味がホクホクの長芋にしみて、ちょっとポップなお味。ライムを効かせた爽やかなジンソーダと合わせると油やにんにくの味がリセットされ、長芋にのびる箸が止まりません。

長芋の花椒唐揚げのつくり方

材料材料 (2人分)

長芋200g
A
・ 薄口醤油大さじ1/2
・ 塩ひとつまみ
・ おろしにんにく少々
片栗粉大さじ2
米油適量
花椒塩適量(花椒と塩を適量合わせる)

1長芋の下処理

長芋は皮付きのまま大きめの乱切りにし、ボウルに入れる。Aを加えて手で軽くもみ、5分間ほど置く。

2粉をまぶす

揚げる直前に片栗粉の半量をまぶし、手でもんでねっとりとしたら、残りの片栗粉をまぶす。

粉をまぶす

3揚げる

揚げ鍋に米油を入れて中火にかけ、170℃に熱する。②の長芋を入れて揚げる。表面が固まってきたら、箸で転がしながら2分間ほど揚げ、油をきる。

4仕上げる

花椒塩をふる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。