大原千鶴さんの「今宵のあて」
夏が旬の食材をシンプルに味わう「トマトとタコの夏サラダ」

夏が旬の食材をシンプルに味わう「トマトとタコの夏サラダ」

初夏が旬のトマトとタコ。玉ねぎドレッシングをかけたサラダは、シンプルながら奥深い味わいがあり、食欲のないときにも箸が進む一品です。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、サラダとドレッシングのつくり方とコツを教えていただきました。

爽やかな組み合わせを引き立てるロゼ・スパークリングを

トマトとタコは間違いのない組み合わせ。これに玉ねぎが加わると最強の一品になります。玉ねぎをスライスして合わせてもいいのですが、つくり置きした玉ねぎドレッシングがあれば、素材を切って盛りつけるだけで夏のサラダになります。

このドレッシングは私の定番で、玉ねぎをすりおろすのがポイント。玉ねぎの風味と酢、煮きったみりんの旨味が相まったドレッシングです。

トマトは食べたときの口当たりが良いように皮を湯むきし、タコは食べやすく、食感が感じられるよう薄切りに。ドレッシングをかけて、すだちを搾ると、果汁の酸味でさらに味わいが格上げされます。

タコの代わりにカンパチや白身魚の薄切りでカルパッチョ風につくっても美味しく、お酒のいいあてになります。こんな一品で暑かった一日を終えられたら本当に幸せです。キリッと冷えたロゼ・スパークリングが気持ちを上げてくれそうです。

材料材料 (1人分)

★ 玉ねぎドレッシング(つくりやすい分量)
・ 玉ねぎのすりおろし45ml
・ 塩大さじ1
・ 米酢90ml
・ みりん90ml(煮きったもの)
・ 胡麻油*90ml(白)
トマト小1個(100g)(湯むきする)
タコ40g(刺身用)
すだち1/2個(種を取ったもの)

*胡麻油(白)がない場合は、米油で代用可。

1玉ねぎドレッシングをつくる

ボウルに塩、米酢、みりんを入れてよく混ぜ、胡麻油と玉ねぎを加えて混ぜ、清潔な保存容器に移す。

2材料を切る

トマトとタコはそれぞれ薄切りにする。

3器に盛る

②を器に盛り、①をよく振って大さじ1~2をかけ、すだちを添える。果汁の酸味で、味わいがグンと格上げされます。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。