
キムチは市販品を購入することが多いですが、即席漬けなら簡単につくれます。浅漬け風なのでサラダ感覚でいただけ、キムチ独特の、体がホッとする風味も楽しめます。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、キムチとキムチだれのつくり方とコツを教えていただきました。
韓国の漬物「キムチ」は本格的につくるとなると大がかりですが、これは簡単で、つくってすぐにいただける即席のキムチです。野菜のフレッシュ感を楽しめる発酵手前のキムチで、たれと混ぜ合わせるだけで完成します。
3種類ご紹介していますが、ベースになるキムチだれは同じものを使います。
キムチだれにナンプラーを使うとアミを混ぜたような複雑な味になり、長時間漬け込んだかのようなコクが生まれるんです。和えてからそのまま常温に置いてうまく発酵すれば、キムチ独特の酸味も出て、旨味が増し、冷蔵庫で保存すれば3日ほど楽しめます。
野菜は生で食べられるものであればなんでもよく、きゅうりとにらは切るだけ。かぶは塩もみ、小松菜はレンジにかけて、それぞれ水気をしぼって和えます。
サラダのようにみずみずしく、野菜そのものの美味しさも感じられます。おかずにもつまみにもなり、発酵手前の旨辛い味わいがマッコリと相性抜群です。
粉唐辛子 | 小さじ2(韓国産、中挽きのもの) |
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砂糖 | 小さじ1 |
ナンプラー | 小さじ1 |
胡麻油 | 小さじ1/2 |
にんにく | 小さじ1/4(すりおろす) |
塩 | ふたつまみ |
すべての材料を混ぜ合わせる。
きゅうり | 1/2本(50g) |
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にら | 1本 |
キムチだれ | 全量 |
きゅうりはヘタを切り落とし、幅5mmの輪切りにする。にらは長さ2cmに切る。
①とキムチだれをよく和える。
かぶ | 1個(60g)(実。皮をむく。) |
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かぶ | 20g(葉) |
塩 | ひとつまみ |
キムチだれ | 全量 |
*葉がない場合は実だけでつくってもよい
かぶは皮をむいて幅7mmの薄切りにし、葉があれば長さ3cmに切り、塩をまぶして10分ほど置く。出てきた水気をしぼる。
①とキムチだれをよく和える。
小松菜 | 1~2株(70g) |
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たらこ | 15g(薄皮を取ったもの) |
キムチだれ | 全量 |
小松菜は根元を切り落として洗い、長さ4cmに切って耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして600Wの電子レンジに1分かける。そのまま冷まし、出てきた水気をしぼる。
①をキムチだれとたらこと一緒によく和える。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ