料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回も前回に続き、冷蔵庫に眠っている“スイートチリソース”。実は、いろいろな料理に使える調味料なんです!
今回のお題はまたまた、使い切れない“スイートチリソース”。前回は“豚スペアリブ”をスイートチリソースで煮込んだら、あまりのおいしさに感動したが、まだまだチリソースの使い方を隠し持っていそうな尾身さん。もっと、教えてくださいよ!
「我が家ではエスニック料理をよくつくるので、蒸し鶏とかゆで豚のタレにもスイートチリソースを使うことが多いかな。といっても、ナンプラーとしぼりたてのレモン汁でのばすだけ。レタスにお肉とミントやバジルをたっぷりのせて巻いて、そのエスニックダレにつけて食べるとおいしいのよ」
“豚スペアリブ”に次ぐ、ナンプラーとの組み合わせワザ。想像するだけで、野菜がいっぱい食べられそう!さらには、こんなジャンクな食べ方も。
「やみつきになるのが、ハワイ風のフライドポテト。サワークリームとチリソースをとろっとかけてあって、ディップして食べるの。ポテトを揚げるのが面倒なときは、ポテトチップスでもOK。これがねぇ、ものすごくあとを引いてたまらないのよ~」
なんと、手軽なつまみにも使えるとは!ビールをプシュッと開けて、今すぐ試してみたい……。
そして、今回教わるのは“牛肉のトマト卵チリスープ”。スイートチリソースがスープの味つけにも使えるなんて!
「牛肉とトマトってとっても相性がよくて、うちではよく炒めものにするんですが、スープにしてもおいしいんです。スイートチリソースはトマトとも相性がいいから、味つけに使ってみたら、これがなかなかおいしくて!」
さっそく味わってみると、口の中がたちまちアジアにひとっとび!スイートチリソースの甘味と唐辛子の辛味がトマトの酸味と溶け合って、牛肉のしみじみとした旨味が溶けだしたスープと絶妙な相性の良さなのだ。トムヤンクンにも匹敵する、蒸し暑い夏にこそ味わいたい、ご馳走スープかも……!
「ちょっとお酢を入れて、スイートチリソースの甘さを引き締めています。トマトと卵も相性がいいでしょう?具だくさんなので、メインにもなるスープです」
韓国の牛肉のスープ“ユッケジャン”のように、ご飯と一緒に味わうのもいいかもしれない。そして気がつけば、あれだけ使い切るのに苦戦していたスイートチリソースが、いつの間にか空っぽになっていそうだ。
牛こま切れ肉 | 120g(食べやすく切る) |
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生姜 | 10g(せん切り) |
長ねぎ | 1/2本(青いところも含めて、斜め薄切り) |
トマト | 150g(くし形切り) |
春雨 | 20g(ぬるま湯で戻してキッチンバサミで食べやすく切る) |
溶き卵 | 1個 |
サラダ油 | 少々 |
★ スープの味つけ | |
・ スイートチリソース | 大さじ3 |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ 醤油 | 小さじ2/3 |
・ 酢 | 大さじ1 |
・ 白こしょう | 少々 |
糸唐辛子 | 適量 |
鍋にサラダ油をひいて中火にかけ、牛肉を炒める。8割がた肉の色が変わったら、生姜、長ねぎを加えて炒める。
水600ml(分量外)を加えて煮立ったら、浮いてきたアクをすくう。春雨も加える。
さらにトマトを加えて軽く煮る。トマトの角が取れて煮くずれはじめたら、スイートチリソースなど、スープの味つけ用の調味料を加える。
味が決まったら、溶き卵を細くたらして流し入れ、ふんわりかたまったら火を止める。器に盛り分けて、糸唐辛子を飾る。
料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。
文:大沼聡子 撮影:海老原俊之