尾身奈美枝さんの“フードロサない”アフターレシピ
買い過ぎた"きゅうり"は、肉で巻いてフライパンで焼く!

買い過ぎた"きゅうり"は、肉で巻いてフライパンで焼く!

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回のお題は、買い過ぎた“きゅうり”。しなびさせてしまったこと、ありませんか?

きゅうりは火を通してもおいしい!

とある食品メーカーが発表した食品ロスの調査によると、「最近捨ててしまった食品・食材」のランキング上位に食い込んでいたのは、今が旬でおいしいあの野菜。尾身さんも、この結果にはびっくりしたようで……。

「エッ、きゅうり!?ちょっと驚いたけど、この季節は安くておいしいから、ついたくさん入っている徳用を買っちゃいますよね。使い切れなくて冷蔵庫の中でしなびさせちゃう人も多いのかも」

確かに、手軽に食べられるからこそ、サラダや浅漬けなど、料理がワンパターンになりがちなのは否めない。そこで、たっぷり買っても、新鮮なうちにおいしく食べられるレシピを尾身さんに教えてもらうことにした。

「まず、“きゅうりは生で食べるもの”という思い込みを捨ててください。実は火を通しても、すごくイケるんです!」

尾身奈美枝さん
冷蔵庫でしなびさせる前に食べきっちゃいましょう!

半生のポリポリ感がクセになる!

尾身さんがまな板の上に広げたのは、薄切りの豚バラ肉。青じそと生姜のせん切り、きゅうりをのせたら、巻いて焼くだけ!

「この“きゅうりの豚肉巻き焼き”、とってもおいしいんですよ~。主役は、あくまでもきゅうり。豚バラ肉は調味料のような役割です。しゃぶしゃぶ用の薄いお肉で巻いて焼くと、カリッとこうばしくてあっという間に食べちゃいますよ」

さっそく味わってみると、確かにこれは“きゅうり”が主役!豚肉の旨味、青じその香り、生姜の辛味も加わって、きゅうりのおいしさが何倍にも増している……!醤油ベースの甘酸っぱいタレもまた、よく合うのだ。

「ポリポリの食感がいいでしょ?少し火が通って半生になったこのおいしさをぜひ、味わってほしいんです!」

おかずにもおつまみにもなる、この一皿。きゅうりをペロリと食べきってしまうに違いない!

“きゅうりの肉巻き焼き”のつくり方

完成

材料材料 (4個分)

きゅうり1本(長さを半分に切り、さらに縦半分に切る)
豚バラ薄切り肉4枚(しゃぶしゃぶ用)
青じそ4枚
生姜20g(せん切り)
少々
白胡椒少々
サラダ油適量
★ 合わせ調味料(混ぜ合わせておく)
・ 酢大さじ1
・ 水大さじ1
・ 砂糖大さじ1と1/3
・ 醤油大さじ1/2

1きゅうりを肉で巻く

豚肉を広げて塩、白胡椒をふり、下味をつける。青じそ、生姜、きゅうりをのせて巻く。

きゅうりを肉で巻く
きゅうりを肉で巻く

2フライパンで焼く

フライパンにサラダ油をひいて中火にかけ、きゅうりを豚肉の巻き終わりを下にして並べる。肉の色が変わったら返して、両面に軽く焼き色がつくまで焼く。

フライパンで焼く
フライパンで焼く

3合わせ調味料をからめる

合わせ調味料を加えて、煮詰めながらきゅうりの肉巻きにからめる。

合わせ調味料をからめる

教える人

尾身奈美枝 料理研究家・フードコーディネーター

尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。

文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。