尾身奈美枝さんの“フードロサない”アフターレシピ
"チャーシュー"の端っこが、香港の土鍋ご飯"ボウジャイファン" に!

"チャーシュー"の端っこが、香港の土鍋ご飯"ボウジャイファン" に!

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。前回に続き、自家製“チャーシュー”の端っこで、とびっきりの香港料理をつくります!

残った“チャーシュー”で香港にひとっとび!

自家製の“チャーシュー”をつくると、必ず最後に残りがちな端っこ。前回は、香港風の“焼きそば”のつくり方を教わったが、今回はさらに本格的な香港料理だ。

「“ボウジャイファン”って知ってますか?香港ではおなじみの土鍋の炊き込みご飯なんですが、本当においしいの!具材のバリエーションはさまざまですが、チャーシューを使ったボウジャイファンは定番。端っこを食べきるのにうってつけなんです!」

残ったチャーシューの端っこ
残ったチャーシューの端っこ、最高においしく食べきりたい!

そして尾身さんが取り出したのは、日本の土鍋。炊飯専用のものではなく、鍋焼きうどんなどをつくる1人用だ。お米も調味料も日本のものを使って、現地の味に近づける。

「“フードロサない”ためのレシピなので、できるだけ家にあるものを使っていきましょうね!」

尾身奈美枝さん
特別な土鍋は使いません!いつもの調理道具で!

“土鍋ご飯”はテンションがアガる!

特別な材料は使わないが、尾身さんが「これだけは省かず入れて!」と念押しする調味料が、タレに加える“五香粉”。中国の代表的なミックススパイスで、メーカーによって配合はさまざまだが、八角、クローブ、花椒、シナモン、フェンネルなどが入り、甘い香りが特徴だ。

「たちまち香港の味になる“魔法のスパイス”。旅をせずとも現地の味が楽しめて、飛行機代が浮くといってもいいくらい(笑)」

いざ、土鍋の蓋を開けてみると、ぽわっと湯気をまとったチャーシューにテンションは最高潮!五香粉をきかせたタレをたらりとかけまわしかけて混ぜると、異国の香りが鼻腔を抜け、香港に旅しているような気分になるから不思議だ。

「甘辛いタレをあとからかけまわすのが、日本の炊き込みご飯とは違う“ボウジャイファン”の面白さ。そのまま食べてもおいしいのですが、ぜひ半熟卵をのせて一緒に味わってみてください。カリカリのおこげもたまりませんよ!」

“ボウジャイファン”のつくり方

完成

材料材料 (3~4人分)

1.5 合(研いで30分ほどザルに上げておく)
残ったチャーシューの端っこ120g
長ねぎ6~7cm分(小口切り)
生姜小さじ1(みじん切り)
3つまみ
胡麻油 小さじ1/2
★ かけダレ
・ 醤油大さじ1
・ 酒大さじ2
・ 砂糖大さじ1
・ にんにく1片(薄切り)
・ 五香粉少々
半熟卵適量(好みで)

1チャーシューを切る

チャーシューは20gをみじん切りにして、残りの100gは一口大に切る。

チャーシューを切る
チャーシューを切る

2土鍋に材料を入れて炊く

1人分用の土鍋に米、水250ml(分量外)、みじん切りのチャーシュー、生姜、塩、胡麻油を入れて軽く混ぜる。蓋をして中火にかけ、沸騰して湯気が出たら少し火加減を弱めて、10分ほど加熱する。

土鍋に材料を入れて炊く

3かけダレをつくる

かけダレの材料の五香粉以外を耐熱容器に混ぜ合わせて、電子レンジ(600W)で40~50秒加熱する。取り出して、五香粉を加えて混ぜる。

かけダレをつくる

4チャーシューをのせて蒸らす

土鍋のご飯が炊けたら火を止めて蓋を外し、一口大に切ったチャーシューと長ねぎをのせる。再び蓋をして、10分ほど蒸らす。

チャーシューをのせて蒸らす

5混ぜ合わせる

土鍋の蓋を外し、かけダレの半量をまわしかける。さっくりと混ぜ合わせて、器に取り分け、好みで残りのかけダレを足す。好みで半熟卵をトッピングして、一緒に味わってもおいしい。

混ぜ合わせる
完成

教える人

尾身奈美枝 料理研究家・フードコーディネーター

尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。

文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

大沼 聡子

大沼 聡子 (編集者・ライター)

家庭科教師だった母親の影響で、小学生の頃から料理雑誌を愛読。現在はレシピ本の企画・編集のほか、食まわりの記事を雑誌・ウェブ等で執筆している。趣味は世界各国の料理をつくること、食べ歩くこと。