大原千鶴さんの「今宵のあて」
ナチュラルチーズのような旨味じんわりの「豆腐サーモン」

ナチュラルチーズのような旨味じんわりの「豆腐サーモン」

豆腐もスモークサーモンもそれだけであてになる、便利な食材。二つを合わせたら、これがまた美味しい!手間もかけず、味つけは胡椒だけなのに、一緒にいただくと豆腐が味変し、別物の味わいを楽しめます。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

スモーキーなあてと国産ウイスキーのフロート(水割り)が華やかにフィット

豆腐は酒のあてに何かと重宝する食材。絹ごし豆腐や木綿豆腐のほかに、充填豆腐と言って豆乳と凝固剤を型に入れて密封加熱した長期保存可能の豆腐があり、今回のあてにはこの充填豆腐を使います。パックにぴったり詰まった水きり不要の豆腐で、スプーンですくってそのままスモークサーモンにのせるだけ。

つるんとした口当たりで、スモークサーモンで巻いて一緒に味わうとサーモンの薫香で豆腐がクリームチーズのような味になるんです。それでいて、チーズほど重たくなく、私はこの軽さが気に入ってます。

胡椒を効かせるとさらにチーズ感が増し、自然とウイスキーの水割りを呑みたくなります。
ウイスキーは国産のもので、氷を入れたグラスに水を注ぎます。そこにウイスキーをゆっくり注ぐ「ウイスキーフロート」がお薦めです。ウイスキーの甘味と香りが立ち、スモーキーでスパイシーな「豆腐サーモン」に見事にフィットします。

豆腐サーモンのつくり方

材料材料 (2人分)

充填豆腐1/2丁(約80g)
スモークサーモン6枚
かいわれ大根適量
粗挽き黒胡椒少々

1具材を巻く

スモークサーモンの上に、カイワレをのせ、スプーンで豆腐をすくってのせて巻く。

具材を巻く

2仕上げる

器に盛り、胡椒をふる。

完成

教える人

大原千鶴 料理研究家

大原千鶴 料理研究家

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。

文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。