煮るときに半分、仕上げに半分と二度に分けて加え、バターの存在感を際立たせたレシピです。酒肴家として有名な料理研究家の稲垣知子さんに、日本酒がよりおいしくなるバターをきかせたつまみを教えてもらいました。
鼻先にふわんと漂うバターと醤油の香りで、まず一杯。
醤油と椎茸の旨味が、アヒージョと日本酒を違和感なくつないでくれる。
味に厚みがありながらキレもある「山形正宗 純米雄町 生もと造り」は、バターの濃い味をさらりと流し、味を整えてくれる。白子のパン粉焼きや牛肉と椎茸のアヒージョに。「にいだしぜんしゅ 生酛 純米原酒」は甘味を含んだ酸が、バターのクリーミーさと相まって余韻がふくらむ。おつまみバターと相性◎。
牛赤身肉 | 100g(ステーキ用) |
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椎茸 | 2個 |
にんにく | 1/2片 |
オリーブオイル | 適量 |
バター | 20g(食塩不使用) |
醤油 | 小さじ1 |
赤唐辛子 | 1本 |
塩 | 適量 |
牛肉は一口大に切る。椎茸は石突きを除き、4等分に切る。にんにくは薄切りにする。
小鍋に①を入れて醤油と塩ひとつまみを加えてよく混ぜ、具が重ならないように平らにする。オリーブオイルをひたひたに注ぎ、バター半量、唐辛子を入れて弱火にかける。オイルがふつふつして牛肉が色づいてきたら肉、椎茸の上下を返し、さらに2~3分煮る。
最後に火を強めて全体がぐつぐつしたら火を止め、耐熱の器に盛り、残りのバターをのせる。
日本酒と器を愛してやまない酒肴家、料理研究家。漢方薬膳の効能を生かした体に優しい料理も得意としている。著書に『おかずおつまみ』(文化出版局)、『日本酒マリアージュ』(誠文堂新光社)。
※この記事の内容は、『技あり!dancyuバター』に掲載したものです。
文:佐々木香織 撮影:宮濱祐美子