バターと砂糖で焦がし焼きにしたりんごのおいしさには目を見張るものがあります!ブリオッシュのしっとり素朴な味わいが後を引く一品です。フランス料理研究家の上野万梨子さんに、フランスならではの料理とお菓子を教えてもらいました。
りんごが焼けたら取り出し、フライパンに水大さじ2を入れて火にかけ、鍋底のカラメル状の部分を浮き上がらせながら、ほどよいとろみになるまで手早く煮詰める。
これは仕上げのソースに。
コニャックやブランデー、カルバドスなどを加えれば、デザートにぴったり!
りんご | 小2個(紅玉) |
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バター | 30g(食塩不使用) |
グラニュー糖 | 25g |
ブリオッシュ | 1個 |
A | |
・ 溶き卵 | 大1個分 |
・ 牛乳 | 大さじ1 |
・ グラニュー糖 | 小さじ1/2 |
生クリーム | 50ml |
粉砂糖 | 小さじ1 |
りんごは皮をむいて芯を取り、厚さ1cm強のくし形に切る。
フライパンにバターを溶かし、①をきれいに並べ入れ、強火で焼く。
弱火にしてグラニュー糖を加え、片面に焼き色が十分についてほぼ火が通ったところで返し、濃い飴色になって焼き縮むまで、じっくり20分ほど焼く。
ボウルにAを加えてよく混ぜ、そこに1cm角強に切ったブリオッシュを加えて混ぜ、卵液をからめる。
直径10cmの丸型(2個)の底にオーブンペーパーを敷き、③のりんごを並べ入れる。
その上に④をのせて押しつけてなじませる。もし卵液が残っていたら上からかけてしみ込ませる。
190℃に予熱したオーブンに入れ、約8分焼く。表面にしっかり焼き色がついていればOK。型から抜き出して上下を返してバットにのせ、冷ます。ほんのり温かいくらいが食べごろ。器に盛り、粉砂糖を加えて泡立てた生クリームを添える。
東京生まれ。大学時代より料理研究家の飯田深雪氏に師事。料理家を志し、パリに留学する。1976年、ル・コルドン・ブルー・パリ校卒業。帰国後の77年、東京の実家にてフランス料理教室をはじめる。80年、「オムレツやスープもフランス料理です」というメッセージをこめた初めての著書『シンプルフランス料理』(文化出版局)を上梓。重厚なイメージだったフランス料理を日本の家庭に普及させた功績は大きい。基本の上にたつ自由な発想の料理と、新しい時代を開く料理家としての生き方で人気を博す。多くの雑誌やテレビなどの媒体で活躍するなか、91年、パリ左岸に自宅を移す。以来、日本とフランス、二つの国の食と生活文化に関わる企画・編集・発信を続ける。『WA-fumi, à la rencontre des saveurs du Japon』(Flammarion)、初の書き下ろしエッセイ『パリのしあわせスープ 私のフランス物語』(世界文化社)、『アペロでパリをつまみ食い』(光文社)、『小さなフランス料理の本』(NHK出版)など著書多数。
※この記事の内容は、『技あり!dancyuバター』に掲載したものです。
文:瀬川慧 撮影:武田正彦