料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回は、冷蔵庫の奥底に食べきれないまま残っている“漬け物”を攻略します!
冷蔵庫を開けて、奥の方に食べきれないまま眠っている“漬け物”を見つけたことはないだろうか。旅先で買ってきたり、お土産にもらったり。塩分が強いことも多く、なかなか減らないのだ。「そういえば!」と思い出した人は今回のレシピ、要チェックです!
そこで、尾身さんに漬け物を“ロサない”方法をたずねてみたら、ちょっと懐かしそうに目を細めながら教えてくれた。
「昔の人は、おいしい食べきり方をよく工夫してましたよね。友達のお母さんは、白菜とかきゅうりの古漬けになったものを細かくきざんで、おかかと混ぜて、ふりかけみたいなご飯のお供にしていたのを覚えています」
そんな話をするやいなや、ササッとキッチンに立った尾身さん。冷蔵庫に眠っていた漬け物の数々で、パパッとつくってくれたのは……!?
「漬け物には発酵の旨味と塩味があるので、調味料の役割も持っているんです。味つけいらずでおいしいつまみがつくれますよ」と尾身さん。
最初のレシピは“漬け物タルタルの半熟卵のせ”だ。つくり方はいたって簡単、細かくきざんだ漬け物をマヨネーズで和えたら、半熟卵にのせるだけ。「漬け物タルタルは万能なんですよ。どんな漬け物でつくってもおいしい。今回は浅漬けを使いましたが、ぬか漬けやいぶりがっこみたいな、クセのある漬け物もイケます」と、役立つアドバイスも! 複数の漬け物を組み合わせると彩りがきれいで、いろいろな食感が混ざり合っておいしいのだという。もちろん、フライに添えても最高!
お次は“白菜漬けとサーモンのマリネ”。白菜の浅漬けとスモークサーモンをオリーブオイルでマリネするだけ……という簡単さなのに、ワインにぴったりの洒落た一皿に。「白菜にしっかり味がついているので、調味料いらず。ここにレモンやゆずをしぼったり、ちぎったディルを加えたりしても、さらにおいしいですよ」。
どちらのレシピも切って混ぜるだけ、という手軽さがうれしい。これを食べれば、漬け物の価値がアップすること間違いなし!
半熟ゆで卵 | 適量 |
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★ 漬け物タルタル | |
・ しば漬け | 10g(粗みじん切り) |
・ きゅうりの浅漬け | 20g(粗みじん切り) |
・ 人参の浅漬け | 10g(粗みじん切り) |
・ マヨネーズ | 30g |
漬け物タルタルの材料をすべて混ぜ合わせる。半分に切った半熟ゆで卵にのせる。
白菜の浅漬け | 80g(食べやすく切る) |
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サーモン刺身 | 10切れ |
EXバージンオリーブオイル | 大さじ1 |
ボウルにすべての材料を合わせ、オリーブオイルでマリネする。すぐに食べられるが、冷蔵庫で30分ほどおくと味がなじんでおいしい。
料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。
文:大沼聡子 撮影:伊藤菜々子