ピリ辛に炒めた根菜が、かぼちゃの甘味でより一層際立つ、秋満載の一品です。おもてなし上手と評判の料理家の小堀紀代美さんに、ゲストに喜んでもらえるちょっとしたご馳走レシピを教わりました。
誰かとごはんを一緒に食べるって、特別なこと。仲よくなるきっかけになったり、距離がぐんと縮まったり、ときにはトラブル解決の糸口になることも。だからぜひ「うちでごはん食べようよ」と、日常的に誘ってみませんか?
おもてなしといっても、レストランで出てくるようなごちそうじゃなくていいんです。むしろゲストに気を遣わせないくらいのカジュアルさが家庭料理のいいところ。ちょっと華やかにしたいときは、器選びや盛りつけ、サーブの仕方で工夫してみましょう。
誰かを招いたら、まずは料理のテーマを決めるのがお薦めです。たとえば今回の中国料理っぽい献立は、和食の献立にもなじむ優しい味わい。でも、盛りつける器やお酒を中華テイストにすると、ぐっと雰囲気が盛り上がります。逆に、「いつもの延長でできる洋食」メニューは、カフェのようなワンプレートでより気軽に。締めにパスタを出すことで、おもてなし感が演出できるのです。 自分のために料理するのも楽しいけれど、誰かに喜んでもらうってうれしいこと。最初はちょっと緊張するけれど、料理の腕が上がることも間違いなし!
かぼちゃは季節感を感じる色合いも魅力。
ピュレというと難しそうに聞こえますが、バターやシナモンと一緒に煮て、撹拌するだけ。
上にはポリポリとした食感が楽しいれんこんやさやいんげんを、ピリ辛味で炒めたものをのせて。
かぼちゃ | 1/4〜1/6個(正味300g) |
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シナモンスティック | 1本 |
バター | 25g |
塩 | 小さじ1/3 |
A | |
・ ミックスナッツ | 30g(粗みじん) |
・ れんこん | 1節分(90〜100g)(1cmの角切り) |
・ さやいんげん | 8本分(80g)(幅1cmに切る) |
B | |
・ 胡麻油 | 大さじ1と1/2 |
・ 豆板醤 | 小さじ1/4 |
・ 花椒ホワジャオ | 小さじ1/4(たたきつぶす) |
・ 豆豉 | 5粒分(みじん切り) |
・ にんにく | 少々(みじん切り) |
・ 生姜 | 少々(みじん切り) |
・ 長ねぎ | 5cm分(みじん切り) |
C | |
・ 醤油 | 大さじ1 |
・ 黒すり胡麻 | 大さじ1 |
・ 水 | 大さじ1/2 |
胡麻油 | 少々 |
黒胡椒 | 少々 |
かぼちゃは皮と種を取り、小さめの一口大に切る。
鍋に入れ、水をひたひたに注ぎ、シナモンスティックとバターを加え、弱めの中火で15分ほど煮る。
かぼちゃが柔らかくなったらシナモンスティックを取り除き、ミキサーで撹拌する。水分が多ければ鍋に移し、弱火にかけながら水分をとばし、濃度を調整する。塩で味を調える。
フライパンに混ぜ合わせたBを入れて弱火にかけ、香りが出てきたらAを順に加えて炒める。いんげんの色が鮮やかになったら塩ひとつまみ(分量外)をふって炒め、Cを順に加えて炒め合わせる。
器に③を広げて盛り、④をのせる。胡麻油を回しかけ、黒胡椒をふる。
料理勉強家
レストランのマダムからカフェ「LIKE LIKE KITCHEN」の料理担当を経て、現在は同名の料理教室を主宰。気持ちはいつも『料理勉強家!』。楽しくをモットーに、テレビ、雑誌などにレシピを提供。近書に『ライクライクキッチンの旅する味 予約のとれない料理教室レッスンノート』『ごはんにかけておいしい ひとさライス』など。
※この記事の内容は、『四季dancyu 2022秋』に掲載したものです。
文:藤井志織 撮影:山田 薫