
豆豉(トウチ)の旨味が効いた焼きそばは、締めと思って食べているのにお酒が進んでしまう、コク深い味わいです。おなじみのハイボールにレモンサワー、そして人気急上昇中のクラフトジンの炭酸割り。夏のシュワシュワは飲み口も軽く、スカッと暑さを吹き飛ばしてくれます。そんなお酒のつまみになる、夏仕様のシンプルにつくれるレシピを料理研究家の平野由希子さんに習いました。


さて、じわじわとブームを巻き起こしている「クラフトジン」もぜひ夏に家で楽しんで欲しいお酒です。「ジン」は簡単にいえば「ジュニパーベリー」というスパイス(写真右)と香草、薬草類が入った蒸留酒のこと。その中で「クラフトジン」と呼ばれるのは「小さな蒸留所でマニアックにつくられたもの」、という程度できっちりと定義づけはされていませんが、通常のジンより個性的な傾向があります。
日本由来の山椒や桜花、柚子や緑茶などを使って香りづけされた「ジャパニーズクラフトジン」は、どこか懐かしいような香りが広がり、ふだんの食卓にもすっとなじみます。
焼きそば麺は先に表面をカリカリに焼きつけてから炒め合わせると、ベタッとならずに香ばしい仕上がりに。青ねぎをたっぷり入れて緑鮮やかな一皿に。
| 焼きそば麺 | 2玉 |
|---|---|
| 豚バラ肉 | 100g(薄切り) |
| ★ 豚肉の下味用 | |
| ・ 塩 | 少々 |
| ・ 胡椒 | 少々 |
| 生姜 | 1片分(せん切り) |
| 青ねぎ | 1/2束 |
| 豆豉 | 大さじ2 |
| 酒 | 大さじ2 |
| 醤油 | 小さじ2 |
| 胡麻油 | 適量 |
| 塩 | 少々 |
| 胡椒 | 少々 |

豚肉は食べやすく切って塩、胡椒をふる。青ねぎは斜めに幅1cmに切る。豆豉はざく切りにする。
フライパンに胡麻油少々を熱し、麺を玉のまま入れ、そのままあまり触らずに両面をこんがりと焼き色がつくまで焼き、取り出す。
続けてフライパンに胡麻油大さじ1、生姜を入れて熱し、香りが出てきたら、豚肉を入れてこんがりとするまで炒める。
豆豉を加えて炒め合わせ、麺を加えてさらに炒める。酒を加えて麺がほぐれたら鍋肌から醤油を加え、青ねぎも加えてさっと炒め合わせ、塩、胡椒で味を調える。


料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。フレンチをベースに幅広いジャンルの料理を手がける。自称「レモンサワーラバー」で、ワインだけにとどまらずお酒をこよなく愛す。おいしく飲むためにおつまみは必須で、メニューを考えているだけで楽しくて時間も忘れてしまうとか。そのシンプルかつキレのよい味わいは多くの酒飲みをうならせる。書籍、雑誌、広告のレシピ制作や飲食店のプロデュースなどで活躍中。著書も多数。
この記事は『四季dancyu 2022 夏』に掲載したものです。

構成・文:中村裕子 撮影:キッチンミノル