トルコの家庭料理
トマトソースのコクが魅力のトルコ流水餃子"マントゥ"

トマトソースのコクが魅力のトルコ流水餃子"マントゥ"

ソースが爽やかな味わいで、小ぶりなサイズもあいまっていくつでも食べられる水餃子です。驚くほど多彩な味わいを持っているトルコ料理をユーラシア大陸の料理の研究をライフワークとする荻野恭子さんに教えて貰いました。

“マントゥ”のつくり方

生地のつるんとした食感に、トマトソースのコクとヨーグルトの爽やかさがからんで美味!家庭では小さくつくるほどよいとされ、スプーンに40個のるほどのサイズでつくれる人も。ここではレストランサイズの大きさで紹介しているので、腕に覚えがある人は、ぜひ小さく包むチャレンジを。

材料材料 (2人分/18個分)

基本の生地半量
打ち粉適量(強力粉)
●フィリング
・ ラム挽き肉50g(または牛)
・ 玉ねぎ1/4個分(みじん切り)
・ 塩小さじ1/4
・ 胡椒少々
●ヨーグルトソース
・ プレーンヨーグルト50ml
・ にんにく1/2片分(すりおろす)
・ 塩小さじ1/4
●トマトソース
・ トマトペースト大さじ1
・ 水100ml
・ チリペッパー小さじ1/4
・ バター大さじ2
スマック適宜(あれば(*))
ドライミント適宜

*スマックはウルシ科の低木の果実を乾燥、粉末にしたもので、トルコや中東の料理によく使われる。独特の酸味は、日本の“ゆかり”によく似ている。

1下準備

フィリングの材料をすべて混ぜ合わせる。練らなくてもよい。ヨーグルトソースの材料をすべて混ぜ合わせる。

2生地をのばす

打ち粉をしながら生地をのばし、まな板の大きさギリギリまでのばしたら、包丁で18等分に切る。

3フィリングをのせる

切り分けた生地それぞれに、準備しておいたフィリングをのせていく。

フィリングをのせる
マントゥは皮を食べる料理。たねの量はほんの少しでよい。生地をさらにのばして小さく切り分け、数を増やしても。

4閉じる

生地の四隅を合わせて閉じ、マントゥ形にするか、三角に折りたたんで閉じるだけでもよい。または両方ミックスしても。

閉じる
生地を対角線上の四隅を合わせて閉じるのが難しい場合は、三角にたたんで閉じるだけでもよい。やりやすい方法で。

5ゆでる

鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯の量の0.5~0.7%の塩を入れ、4のマントゥをゆでる。浮き上がってきてから、生地がぷっくりと膨らんで艶やかになってくるまで3~4分ゆでる。

6トマトソースをつくる

マントゥをゆでている間に、小鍋にトマトソースの材料を入れて弱火にかけ、軽く煮詰まる程度まで煮立てる。

7仕上げ

ゆで上がったマントゥの湯をきって器に盛り、6のトマトソースを回しかけた上からヨーグルトソースをかける。あればスマックとドライミントをふる。

完成

教える人

荻野恭子

荻野恭子

おぎの・きょうこ●料理研究家。栄養士。世界65カ国以上を訪れて家庭料理を学び、食文化を研究している。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」主宰。『家庭で作れるトルコ料理』(河出書房新社)、『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。