トルコの家庭料理
トルコの手打ちパスタ"エリシテ"

トルコの手打ちパスタ"エリシテ"

小麦の原産地でもあるトルコは粉もの料理も多彩です。基本の生地のつくり方と、それを使ったパスタレシピをご紹介します。驚くほど多彩な味わいを持っているトルコ料理をユーラシア大陸の料理の研究をライフワークとする荻野恭子さんに教えて貰いました。

“基本の生地”のつくり方

これさえあれば、パスタ、餃子、ピザ……なんでもできます!

材料材料 (つくりやすい分量)

薄力粉150g
強力粉150g
A
・ 塩少々
・ 卵1個
・ 水100ml

1粉を混ぜる

ボウルに薄力粉と強力粉を入れ、ゴムベラでさっくりと混ぜ合わせる。

粉を混ぜる

2卵を加える

別のボウルにAを入れてよく混ぜ、塩を溶かしたら、1に注ぎ入れ、粉全体に水分が行き渡るよう、ゴムベラで混ぜ合わせる。

卵を加える

3練る

生地がまとまってきたら、握りこぶしで生地を押しながら、グルテンを出すようにしっかりと練る。

練る

4休ませる

粉気がなくなり、ひとまとまりになったら、丸めてラップをかけ、 30分ほど休ませる。休ませることで粉と水分、それぞれの粒子が結合して、切れにくくなる。

休ませる

5練り直す

休ませる途中、15分くらいのところで一度練り直すと、コシがより強く、なめらかになる。

練り直す

6保存する

休ませた生地はすべすべツヤツヤに。ここまで仕込んだ生地を、平べったくまとめてラップで包み冷凍しておけば、自然解凍していつでも使えるので便利。

保存する

“エリシテ”のつくり方

とてもシンプルなトルコの手打ちパスタ。クルミやチーズの香ばしさとコクのなかから、小麦の素朴なおいしさがにじんできます。トマトソースやヨーグルトソースをかけて楽しんだり、乾燥させて冬の保存食にも。

材料材料 (2人分)

基本の生地半量
バター20g
グリュイエールチーズ30g(すりおろす)
パルミジャーノ・レッジャーノ大さじ1/2(すりおろす)
クルミ20g(*)
打ち粉適量(強力粉)
イタリアンパセリ適量(粗みじん)

*クルミはから煎りし、粗く刻んでおく。

1生地をのばす

まな板に打ち粉をし、生地を縦長に置いたら、麺棒を押し付けながら少しずつ広げる。

生地をのばす

2厚みを均一にする

ある程度広がったら、両手のひらで麺棒を転がしながらのばしていく。ときどき生地を麺棒に巻きつけて転がしながら、厚みを均一にしていく。生地がくっつかないよう、常に打ち粉をしながら作業する。

厚みを均一にする

3たたむ

生地の四隅は麺棒を斜めにかけながら、角をつくる。まな板でのばせるギリギリの大きさまでのばしたら、生地を屏風たたみにし、真ん中で半分に切り分ける。

たたむ

4切り分ける準備

エリシテは長さ8~9cmの短いパスタなので、2等分にした生地を90度回転させ、たたんだ輪の部分が横にくるように置く。

5細切りにする

端から包丁で細切りにし、打ち粉をしながらパスタをほぐす。残り半量も同様に。

細切りにする

6湯を沸かす

鍋にたっぷりの湯を沸かし、湯の量の0.5~0.7%の塩を入れたら、 5のパスタを入れ、箸でほぐす。

7ゆでる

手打ちパスタなのですぐに浮き上がってくるが、まだ硬い状態なので、パスタがぷっくりと膨らんでくるのを目安にしばらくゆでる。1本食べて確認すると確実。

8仕上げ

ゆで上がったら湯をきって鍋に戻し入れ、バターとグリュイエールチーズを加えてからめる。器に盛り、クルミとパルミジャーノをふり、イタリアンパセリを散らす。

完成

教える人

荻野恭子

荻野恭子

おぎの・きょうこ●料理研究家。栄養士。世界65カ国以上を訪れて家庭料理を学び、食文化を研究している。料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」主宰。『家庭で作れるトルコ料理』(河出書房新社)、『塩ひとつまみ それだけでおいしく』(女子栄養大学出版部)など著書多数。

※この記事の内容は、四季dancyu「春のレシピ」に掲載したものです。

四季dancyu 春のレシピ
四季dancyu 春のレシピ
A4変型 判(120頁)
2022年3月15日発売/1,100円(税込)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。